室屋「世界一目指す」 エアレース開幕まで2カ月、機体改良に自信

 
7月の開幕戦に向けて模型を手に、レース中のターンなどのイメージを話す室屋=福島市・ふくしまスカイパーク

 7月に英国で開幕するエアレースの新たな国際大会「エアレース世界選手権(ARWC)」に向け、福島市在住のエアレースパイロット室屋義秀(49)が調整を続けている。エアレースとしては3年ぶりの開催。開幕まで約2カ月と迫る中、かつて年間総合優勝を果たしたことがある室屋は「もちろん目指すは世界王者」と闘志をみなぎらせている。

 「準備は万全で、開幕戦がとても楽しみ」。活動拠点としている福島市のふくしまスカイパーク内で、室屋は航空機展示場にあるレース機体を見つめた。前身のレッドブル・エアレースが終了した2019年シーズンは全4戦で3勝したが、僅差で総合優勝を逃した苦い経験がある。「機体の改良やトレーニングを継続し、淡々と準備してきた。今季も勝利を重ねていきたい」と心境を語る。

 室屋のレースチームにはトヨタ自動車の高級ブランド「レクサス」が加わり、機体の改良を共同で進めてきた。「エンジンカバーや操縦席などを改良した。感覚としてはとても良い」と自信を深める。「操縦技術世界一」を掲げてきた室屋。「世界一への思いは不変。技術発展や新しい知見で改良点が次々生まれ、ゴールはない。そこを追求するのが面白く、まだまだ戦える」と衰えはない。

 室屋は活動拠点を求め、1999年に同市に移住。県民の支援を受けて成長してきた。「僕の土台は県民一丸となった『チーム福島』にある。応援してもらうというよりも、一緒に戦って世界一を目指したい」。常に挑戦を続けてきた室屋の翼が、再び羽ばたき始める。

 7月9、10日英国でスタート

 ARWCの主催団体によると、今季は7月9、10日に英グッドウッドで開幕。9月10、11日にマレーシア、10月15、16日にインドネシア・ジャカルタ、11月にオーストラリアの計4戦が発表されている。

 ルールなどはレッドブル・エアレースと大きな変更はない。ただ、対戦形式は3ラウンドのノックアウト方式となる。ラウンド1の上位8人がラウンド2に進み、さらに上位4人が決勝に進んで優勝を争う。室屋以外の出場パイロットはマルティン・ソンカ(チェコ)マット・ホール(オーストラリア)ミカエル・ブラジョー(フランス)ベン・マーフィー(英国)ら実力者ぞろい。室屋は「実力者はチーム体制を維持し、機体の改良を加えている。上位争いは混戦になる」と予想する。

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 むろや・よしひで 中央大航空部でグライダー飛行を訓練し、20歳で飛行機免許取得。エアショー活動に取り組む中、1999(平成11)年に福島市に活動拠点を移す。2009年にレッドブル・エアレースに参戦し、17年にアジア人初の年間総合優勝を果たした。福島市在住。