浪江の記憶と未来描く 第1弾・アート作品「十日市」「水素」

 
震災前の十日市をテーマに描かれた作品などが町中で披露された「なみえアートプロジェクト」=10日午後、浪江町

 浪江町で10日、町内各地の屋外に絵を飾り、記憶と未来をつなぐ「なみえアートプロジェクト」が始まった。東京電力福島第1原発事故に伴う全町避難を経て、新しい町づくりが進む中、「町民が残したい記憶を紡ぎ、実現したい町の姿を共有する」ことを目的に始動。同日、第1弾のアート作品が同町権現堂地区の飲食店「Bar幸」の壁面に掲示された。

 プロジェクト名は「なみえの記憶・なみえの未来」。企画したのは浜通りで地域づくり事業を展開する一般社団法人NoMAラボの代表理事で、昨春、町に移住した元外交官の高橋大就さん(46)。知的障害者の作品展や商品化を手がけるヘラルボニー(岩手県)の協力で、町内外の町民に聞き取りを行うなどし、昨年から準備を進めてきた。

 第1弾作品は2種類あり、テーマは町の毎秋の恒例行事「十日市」と「水素でつくるなみえ」。ヘラルボニーが契約する知的障害者の作家日吉雅治さん、青木玲子さんがそれぞれ縦1.8メートル、横2.7メートルのボードに描いた作品を掲げた。

 現地でお披露目式が行われ、高橋さんのほか、吉田数博町長、協賛企業の伊達重機(浪江町)、住友商事(東京都)、ブラザー工業(名古屋市)の関係者や町民らが出席。クレーン車で除幕した。

 高橋さんは「多くの町民の思いが形になった。この町の未来を決めていくのは町民だ」と話した。第2弾も今月中に披露される予定。