集落連携、課題解決へ新制度 福島県、生活インフラの維持ほか

 

 県は本年度、過疎・中山間地域の活性化に向け、複数の集落が連携して地域課題を解決する取り組みを支援する新たな制度を設ける。人口減少や高齢化が顕著で、生活インフラや農地の維持管理、祭事の継承など単独集落での課題解決が難しくなる中、ネットワークを構築して課題解決に当たる体制づくりを後押しする。

 同一市町村にある集落が連携組織をつくったり、課題解決の計画を立てたりする取り組みに対し、500万円を上限に補助する。比較的人口の多い集落を拠点として、バスの運行や宅配、空き家の活用、鳥獣害対策、高齢者の見守りなどに一体的に取り組む事業を想定しており、県内2~3カ所にモデル地域を設ける方針。

 県によると、県内に行政区単位などの集落は2503あるが、過疎地域では高齢化により空き家や耕作放棄地が増え、水田や森林の維持管理、祭事などの継承が難しくなっている。県は一つの集落を対象にした同様の支援策を設けているものの、人口減少が急速に進み、広域的に取り組むべき課題が増える中、複数の集落の取り組みを対象に加えることで小規模集落の活性化を図る考えだ。

 ただ、過疎地域の集落には共通課題が多い半面、それぞれ積み重ねてきた文化があり、事情が異なる。県は市町村と連携して各集落の意見を踏まえた上で連携体制を築いていく必要があるとみている。

 2020年国勢調査の結果を受け、県内では4月1日に国見、天栄、会津坂下の3町村が「過疎地域」に追加された。白河、須賀川の2市は、市町村合併した地域の特例で旧市町村単位で指定する「一部過疎」に加わり、県内59市町村のうち34市町村が過疎地域となった。

 また県内の推計人口(4月1日現在)が戦後初めて180万人を割り込むなど、少子高齢化や若者の県外流出を背景に人口減に歯止めがかかっておらず、過疎地域の活性化を含む地方創生は喫緊の課題となっている。県は「住民主体の地域活性化を支援しながら、過疎地域の持続的発展に向けた取り組みを進めていく」(地域振興課)としている。