ポリプロピレン分解成功 ペットボトルふた材料、微生物を発見
福島大共生システム理工学類の杉森大助教授の研究グループは、ペットボトルのふたの材料「ポリプロピレン」を分解する微生物を発見した。廃棄量が多く社会問題となる中、微生物が作り出す分解酵素を研究してポリプロピレンをリサイクルできるような仕組みをつくり、同大発ベンチャー企業の創設を目指す。
研究グループは、ペットボトルのふたを約1センチ削り、培養液に浸して分解する状況を調べた。その結果、8種類の微生物を発見し、最大64%の分解に成功した。現在は微生物を3種類程度に絞り込み、酵素のDNA配列などを詳しく調べている。杉森氏によると、8種類は全て初めて見つかった微生物という。
将来的には、使用済みのポリプロピレンを回収して酵素を使って原料に戻したり、有用な物質に変換したりすることを想定。杉森氏は「ベンチャー企業を創設するなど新しい産業を生み出し、地域貢献したい」とする。ポリプロピレンは、レジ袋などに使われるポリエチレンに次いで使用量が多いが、分解する微生物は分かっていなかった。
大学は11日、この研究を含む5件を本県の課題解決に結び付く重点研究分野「foRプロジェクト」に指定したと発表した。単年度の指定で、大学が研究資金を支援する。
ほかの4件は、兼子伸吾共生システム理工学類准教授の野生生物研究、深山陽子食農学類准教授の気象条件が及ぼす野菜への影響、原田茂樹食農学類教授の農地の汚濁の削減技術開発、阪本尚文行政政策学類准教授の本県の歴史研究に関する拠点整備。
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