拠点外の避難指示解除、複数回で 政府、双葉は夏に意向確認

 

 政府は12日、東京電力福島第1原発事故による帰還困難区域のうち特定復興再生拠点区域(復興拠点)から外れた地域を巡り、住民が帰還意向を示した地点を2030年度までに複数回に分けて避難指示を解除していく考えを示した。双葉町の場合、今夏に帰還意向確認を実施した上で早ければ24年度に除染を始め、避難指示解除につなげる。

 双葉町で同日開いた町民への説明会で示した。双葉町以外の帰還困難区域がある自治体にも適用していく。帰還意向の確認から避難指示解除までを一つのサイクルとし、数回繰り返す。現段階では帰還を判断できない人が、将来的に申し込みができるようにすることが狙いとみられる。

 ただ、帰還意向の確認方法などは、それぞれの自治体と調整して決定する。双葉町では世帯主を対象に書面を送付し、家族のうち誰が帰還するのか、帰還したら営農を再開する意思があるかなどについて聞く。おおむね1カ月での返信を求め、集約でき次第、避難先または行政区別の住民説明会を開く。

 帰還困難区域の復興拠点外を巡っては、政府は昨年8月、住民の帰還意向を確認し、20年代に避難指示解除を進める方針を決めていた。今回、避難指示解除までの流れを体系的に示したものの、より詳細なスケジュールや、住民が帰還を望まない土地の扱いなどは明らかにされず、住民からは「聞きたいことに答えがない」との批判も出た。

 住民の意見踏まえ解除判断へ

 双葉町の帰還困難区域に整備中の特定復興再生拠点区域(復興拠点)を巡り、12日に双葉町で開かれた住民説明会では、伊沢史朗町長が「放射線量の低減とインフラ整備はおおむね達成されたとみている」と述べ、住民の意見を踏まえた上で「6月以降」を目標とする復興拠点の避難指示解除を判断する考えを示した。説明会は6月4日まで、県内外で開かれる。

 JR双葉駅西側を中心とした地区や主要道路、墓地や神社などの地域コミュニティーの拠点などが対象になっている。避難指示解除には〈1〉年間積算線量が20ミリシーベルト以下〈2〉日常生活に必要なインフラなどがおおむね復旧〈3〉県、自治体、住民の十分な協議―を満たすことが求められる。

 12日午前中に開かれた復興拠点についての説明会では、町側が拠点区域内の放射線量が十分低減していることや、さまざまなサービスや施設の整備状況などを報告した。住民からは「帰還する意思がある。早く解除を進めて」「住宅の解体除染した土地に草が生えているので何とかしてほしい」などの意見が寄せられた。

 午後に開かれた復興拠点外の地域を巡る説明会では政府側が示した方針が具体性を欠いていたことから「本当に2020年代に除染が終わるのか」「帰還意向がある土地だけではなく、全て除染して(住民に)返す約束だったのでは」などと厳しい指摘が相次いだ。

双葉町の復興拠点の概要