福島駅東口の再開発ビル、完成図公表 7月から解体工事

 
(写真上)福島駅東口側から見た複合棟(手前)などの完成予想図(写真下)福島駅東口再開発事業で建設される複合棟(右)や駐車場棟(奥)などの完成予想図。福島駅東口から東側を望む角度

 福島市は12日、JR福島駅東口周辺の市街地再開発事業で、計画変更を踏まえた概要や完成予想図を公表した。7月から建物の解体工事に着手する予定で、新しい「県都の顔」づくりが本格化する。2026年度のオープンを目指す。12日、市役所で開かれた市議会全員協議会で示した。

 再開発の範囲は旧中合福島店などが立地した約2ヘクタールに及ぶ。公共施設や商業施設、ホテル、オフィスを備えた地上12階建ての複合棟(高さ約59メートル)、商業と駐車場(約550台)の機能を持つ地上7階建ての駐車場棟(高さ約27メートル)、約100戸の分譲マンションとなる地上13階建ての住宅棟(同約41メートル)を整備する。

 目玉は公共施設と商業機能で、複合棟の4~9階部分に大ホール・展示ホール、3階に多目的スタジオ、練習室、会議室を設置し、幅広い活用を目指す。5~7階にオフィス、8~12階にはホテルが入る。商業施設は駅前通りに面した複合棟と駐車場棟の1、2階に配置、イベントスペースやデッキテラスも整備する。

 整備内容変更や建築資材の高騰などで総事業費は以前より19億円増の492億円(うち約244億円は国、県、市補助)に上り、さらに増える可能性もある。

 複合棟、ホール一体整備

 「県都の顔」が大きく生まれ変わると期待されている福島市のJR福島駅東口周辺の再開発事業。市が12日に公表した概要では、再開発ビルの目玉である商業施設や公共施設の配置などが明らかになった。7月から本格化する建設工事に伴い、今後は施設の管理運営や新たな推進体制の構築が求められる。

 計画からの変更点は複合棟に整備する公共施設の大ホール(1500席程度)と展示ホール。客席を床や壁に収納するなどしてフロアを一体的に整備することにした。大ホールの席数を予定通りとし、展示ホールは計画の倍の3000平方メートル程度の広さを確保できる。規模は小さくなるが併用も可能だ。

 これは多様なニーズに対応して稼働率を高める狙いがある。音響の課題は残るが、市は「他施設と遜色がない設備にする」とした。コロナ禍の影響で民間事業者の入居が決まらず、計画していたバンケット(宴会)の機能をなくした。市は「後にバンケットが営業できるように水回りなどを整備したい」とした。

 商業施設は駅前通りに面した複合棟と駐車場棟の1、2階に配置し、計画より広くした。選定したキーテナントに店舗構成を任せる形式になる。市はキーテナント会社を明らかにしていないが「かつての中合のように高齢者に親しまれる一方、若い世代も定着する店舗が好ましい」とした。

 今後、本格化する再開発ビル建設と同時並行で、市は公共施設を活発に活用するため来年度、管理運営団体を選定する。また、MICE(マイス=大規模な会議や見本市など)機能の強化に向け、産学官による推進体制を整備していく。

 工事で中心部の空洞化が進む上、伊達市へのイオンモール北福島(仮称)の出店もあり、市街地活性化が求められる。木幡浩市長は事業費の抑制方針を示した上で、「街なかへの人が減り、商業が衰退する負の循環にある。これを断ち切る起爆剤が駅前再開発」とし「街なかに好循環をつくるため、まずは人を呼び込む施策を展開する」と強調した。

再開発ビルの断面イメージ