温室ガス50年度93%減 森林吸収で実質ゼロ、福島県が工程表公表

 
50年度までの温室効果ガス排出量削減目標

 福島県は13日、2050年度までの温室効果ガス排出量実質ゼロ(カーボンニュートラル)を達成するためのロードマップ(工程表)を公表した。50年度の県内での排出量を13年度比93%減の130万トンと設定、これに向けて、事業者や県民一人一人の取り組みや、中長期的な目標値を独自に設けた。県民総ぐるみでの活動が不可欠なカーボンニュートラルの実現へ、県は全県で各種施策を展開する構えだ。

 13日のふくしま地球温暖化対策推進本部会議で決めた。カーボンニュートラルは、温室効果ガスの排出量から森林による吸収量を差し引いて実質ゼロにする考え方。県は50年度の森林吸収量を130万トンと試算する。

 中長期的な進行管理のため、30、40両年度それぞれの排出削減値を設定。13年度比で、30年度は47%減の984万2千トン、40年度は70%減の558万9千トンを掲げた。▽省エネルギー対策の徹底▽電化・低炭素燃料への切り替え▽再生可能エネルギー導入と再エネ由来の新燃料の導入▽暮らし方や社会の在り方の見直し―の四つの考え方を施策の軸に据え、エネルギー消費量と二酸化炭素排出量の削減を進める方針。

 工程表では、これらの対策を行わない場合の温室効果ガスの排出量についても試算している。人口減少などを加味しても、13年度と比べた排出量は、30年度が15.4%減の1583万2千トン、40年度が21.0%減の1477万9千トン、50年度が27.7%減の1351万8千トンにとどまった。

 県は昨年2月に「福島県2050年カーボンニュートラル」を宣言。昨年策定した県地球温暖化対策推進計画では、森林吸収量を加味した排出量を13年度と比べて30年度は50%、40年度は75%の削減を目指すとしており、実現への道筋を示すために、工程表の策定を進めていた。

 内堀雅雄知事は「カーボンニュートラル実現へ重要なキーワードは連携。オールふくしまで取り組むことが何より重要だ」と強調した。

 温室ガス削減「自分事」

 2050年度の温室効果ガス排出量実質ゼロ(カーボンニュートラル)の実現に向け、県が公表したロードマップ(工程表)では産業、運輸、民生業務、民生家庭、廃棄物・その他の五部門でそれぞれ取り組む施策と目標値を盛り込んだ。県によると、部門ごとに数値目標や施策を定めた工程表は全国でも珍しく、県民に「自分事」として認識してもらう狙いだ。工程表は県のホームページでも公表している。

 省エネ農機具を推奨

 【産業】農林水産業、建設業、製造業を対象に見据える。ヒートポンプの普及拡大に加え、省エネルギー型の農機具や漁船、モーターの導入を推奨する。将来的な技術革新を見据え、50年度の排出量を13年度比89%減の62万4千トンとし、30年度は36%減の362万3千トン、40年度は52%減の269万9千トンに設定した。

 次世代自動車を促進

 【運輸】自家用車や物流、公共交通を対象に設定。電気自動車や水素自動車など次世代自動車の普及促進を掲げるほか、積極的なエコドライブも呼びかける。50年度の排出量は13年度と比べて96%減の16万4千トンを目指す。30年度は36%減の269万3千トン、40年度は79%減の88万7千トンを掲げた。

 照明LED化進める

 【民生業務】事務所やホテル、学校などが対象。照明の発光ダイオード(LED)化などの省エネルギー化や、空調・給湯設備でのヒートポンプ数の段階的な増加を盛り込んだ。50年度の排出量は13年度から99%削減させた2万1千トンを目指し、30年度は64%減の123万1千トン、40年度は78%減の74万8千トンとした。

 省エネ家電を普及へ

 【民生家庭】各家庭での対策としてエネルギー消費量の年間収支が実質ゼロのゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)を50年度までに20万5千戸と設定、省エネルギー家電も普及させる。13年度比の排出量は30年度に63%減の129万3千トン、40年度に83%減の59万7千トン、50年度には97%減の9万5千トンを目指す。

 一般廃棄物排出削減

 【廃棄物・その他】県民や地方自治体などが対象。一般廃棄物の排出量を50年度に18年度比44万4千トン減の26万2千トンとするなど廃棄物の削減やリサイクル促進を促す。温室効果ガス排出量は13年度と比べ30年度は47%減の100万1千トン、40年度は65%減の65万9千トン、50年度には79%減の39万7千トンと定めた。