水揚げ震災前5割超目標 相双漁協の小型船、助成制度活用し5年で

 
松川浦漁港で水揚げする小型船。漁業復興に向けた新たな取り組みが始まろうとしている

 相馬双葉漁協に所属する小型船が国の助成制度「がんばる漁業復興支援事業」を活用し、水揚げ拡大の取り組みを本格化させる。現状の水揚げ量が東日本大震災前の15%程度にとどまる中、関係者は5年間で震災前の5割以上まで回復させる方針だ。

 県漁連と同漁協は取り組み内容を盛り込んだ漁業復興計画を作り、6月に国の認定を受けられるよう準備を進めている。取り組みは来年1月に始まる見通し。

 計画には同漁協に所属する小型船231隻のうち、約100隻が加わる予定。助成制度の活用は県内4例目となる。同漁協では既に沖合底引き網船が計画に取り組んでおり、小型船でも計画的な水揚げ拡大が実現すれば、相双地区の漁業復興は大きく前進する。

 計画期間の5年間は、1年ごとに水揚げ量の数値目標を設定し、5年目となる2027年には震災前の5~6割となる水揚げ量を目指す。目標達成に向け、新造船を段階的に導入するほか、不要になった船を老朽化した船に乗っている漁業者に譲り、漁船群全体の機能を底上げする。

 広範囲で多様な漁法で操業している現状を踏まえ、各地区の代表らでつくる「水揚げ拡大協議会」を設け、漁業者が一体的に計画に取り組む体制を整える。

 近年は主力のコウナゴが不漁になるなど、水揚げ増加への課題も多いため、協議会は新たな魚種の漁獲方法などを検討。流通業者や行政とも連携し、相双沖の魚介類のブランド化や販路拡大につなげたい考えだ。

 計画作成に当たる作業部会の今野智光部会長(63)は、震災後取りやめている他県沖での操業再開も重要だと指摘した上で「がんばる漁業を活用し、さまざまな課題を解決して本格操業に向けて進んでいきたい」と意気込みを話した。