福島県産カスミソウ、欧州市場狙う 空輸前の温度・照明実証へ

 

 県農業総合センターは本年度、宿根カスミソウの海外輸出に向けた実証事業に取り組む。高品質な県産カスミソウはオランダを中心に欧州での需要が見込まれるが、輸送コストや品質保持が課題となっており、実証事業を通じて課題解決と輸出拡大を目指す。

 県園芸課によると、県産花卉(かき)の輸出は右肩上がりで増加しており、2021年の輸出額は約1億円と17年比で約25倍となった。輸出先はアジア圏が中心で、特に中国が輸出量全体の7割を占める。

 アジア圏では大ぶりの花が好まれるため、比較的花が小さいカスミソウの輸出実績はこれまでほとんどなかった。一方、欧州では贈答用や家庭用などで根強い人気があり、県やセンターは品質保持などの課題が解決できれば輸出拡大につながるとみている。

 センターの会津地域研究所が実証事業を行い、どのような処理をして出荷すれば適切な状態で現地に届くかなどを確かめる。具体的には出荷前、複数のパターンで温度や照明を当てる時間などを調整した花をそれぞれ箱詰めして現地に空輸する。6月下旬から、市場の状況を見ながら300本詰めの箱を数箱程度、順次発送していく予定だ。

 カスミソウ輸出に向けた研究はこれまでも行っており、昨年度は輸送経費削減の実証に取り組んだ。梱包(こんぽう)する際、新聞紙で花を包む手法を取り入れた結果、箱に入る量が増え、品質を保持したまま輸送経費を5分の1以下にすることができたという。

 宿根カスミソウは地中海沿岸などが原産の多年草。農林水産省が重点的に輸出拡大に取り組む品目にも選定され、県内で生産の中心となっている昭和、柳津、三島、金山の4町村は産地に選ばれている。

 県は宿根カスミソウの生産額を17年の6億4000万円から25年の7億5000万円に増やす計画で、輸出拡大などを通じて出荷増などにつなげたい考えだ。花卉全体の輸出額も30年に、21年の約1.5倍となる1億4500万円まで増やすことを目標にしており、センターは「実証事業で宿根カスミソウの出荷増や輸出拡大を図っていきたい」としている。