原発事故研究...学術書に「国内外に正しく伝える」 英文で出版

 
(左から)コノプリョフ氏、難波氏、和田氏

 福島大環境放射能研究所長の難波謙二教授らは、東京電力福島第1原発事故後の10年間の研究内容をまとめた英文学術書を出版した。5部23章510ページにわたり、原発事故由来の放射性物質の環境中の動きや分析の状況などを掲載している。難波氏は「研究成果を国内外の研究者に正しく伝え、事故後の福島県の経験を世界と共有する重要な役割を果たす」と期待する。今後、日本語版の書籍出版も検討する。

 研究所は原発事故から2年後の2013年7月に設立された。国内外の共同研究機関と共に原発事故に起因する環境放射能に関する調査研究を行ってきた。難波氏のほか、副所長のアレクセイ・コノプリョフ特任教授と和田敏裕准教授が編者を務めた。

 学術書では、11年3月25~31日に実施した県内の広域的な空間線量の調査結果に加え、放射性セシウムの土壌や水域での動きの特徴をチェルノブイリ(チョルノービリ)原発事故と比較した調査結果などを紹介している。

 難波氏は「一般的な学術論文に比べて写真や説明が豊富。これから環境放射能を学ぶ学生や福島第1原発事故に関する研究を海外に伝えたいと考えている人にとっても有益な情報になる」としている。