ウクライナの声、福島県の高校生に NPO代表、交流の場模索

 
「戦争の現状を自分の目で見て、県内の若者に伝えたい」と話す小玉さん

 ロシアによるウクライナ侵攻が続く中、福島市のNPO法人アースウォーカーズ代表の小玉直也さん(50)が隣国ポーランドでウクライナ避難民を支援するための準備を進めている。6月にもポーランド入りし、10日間滞在し活動する予定だ。活動の中ではウクライナと県内の高校生が交流する取り組みも模索しており、「戦争の現状を自分の目で見て、県内の若者に伝えたい」と決意を口にする。

 小玉さんは2003(平成15)年、戦時中のイラクで非政府組織(NGO)のメンバーとして医薬品の調達などの支援活動に携わった。その中でイラクと日本の子どもたちが手紙で交流する事業にも取り組んだ。

 6月20日から多くの避難民がいる首都ワルシャワとジェシュフに入り、既に現地入りしているNGOメンバーと情報交換しながら必要な物資を調達する予定。ポーランドには一時200万人以上の避難民が身を寄せ、子どもたちはポーランドの学校に通いながら現在も避難しているという。

 小玉さんが支援活動に取り組もうと決めたのは「現在のウクライナと戦時中のイラクへの思いが重なった」からだ。日本人と手紙で交流したイラクの子どもたちが、東日本大震災時にボランティアとして被災地に駆けつけるなど意識が変わっていく姿を目にしたという。今回もウクライナの子どもたちが交流を通じて何らかの希望を見いだしてほしいとの願いを込める。

 県内の高校生に現地の状況を伝えたいとの強い思いもある。小玉さんはNPOの活動として東京電力福島第1原発事故後、県内の高校生らの海外派遣プロジェクトなどを通じ被災地支援を続けてきた。今回のポーランド訪問でも現地の様子を県内の高校生に報告したり、同国に避難するウクライナの子どもと県内の高校生がオンラインで交流する場の設置を模索している。

 小玉さんが現地の声を重視する理由は、イラクでの経験がある。自分の目で見た現状とテレビなどで流れるニュースに差異を感じたからだ。「戦争は国によってさまざまな報じ方がある」。実際、ウクライナ情勢を巡っては真偽不明の情報が世界を飛び交う。

 「生の声を届ける橋渡しがしたい。ウクライナで空爆を目の当たりにした子どもたちの声を届け、高校生が社会に関心を持つきっかけにしてもらえれば」。小玉さんはそう話す。(安達加琳)

ポーランドでの活動予定地

 手紙届けたい中高生や報告会希望高校募る

 NPO法人アースウォーカーズは主に高校生を対象とした被災地支援活動や国際問題に関するプロジェクトを展開している。

 ウクライナの子どもたちへ手紙を届けたい中高生や、小玉さんによる報告会を希望する高校を随時募集している。相談は小玉さん(電話090・8301・1123)へ。