いわき市、工事費4400万円未払い 台風災害復旧、口頭指示のみ

 

 いわき市は20日、東日本台風(台風19号)の被害を受けた農地や農業施設の災害復旧事業で、不適切な事務処理が15件あったと発表した。農林水産部の40代男性職員が書類による契約手続きを怠り、業者に対し口頭による指示だけで復旧工事を行っていた。

 15件の事業費は、約4400万円となる見通し。契約書類がないため全て未払いの状態になっており、市は内容を確認した上で正式に契約を結び、事業費を速やかに支払う方針だ。

 市によると、事業は台風で崩れた水路や水田の災害復旧工事で、15件のうち13件が完了している。復旧現場で新たな工事や工事内容の変更が生じた際、現場で業者に口頭で発注していた。2020年度に6件、21年度に9件あった。

 緊急度が高い災害復旧工事だったため、市は入札を行わずに業者を選定したことについては問題なかったとしている。ただ、口頭で発注した後、業者から事業費の見積もりを取り、書類で契約を結ぶ手続きが必要だった。

 男性職員が4月、人事異動の対象となった際、上司に申し出て発覚した。男性職員は「早期復旧を優先するため独断で指示していた」と話しているという。市は「組織的な確認作業が不十分だった。災害対応で非常に忙しくなっていた環境もあり、組織として反省している」とした。男性職員の処分については今後検討するという。