浪江にサバ陸上養殖場 日揮といわき魚類の新会社、今冬に着工

 
浪江町に建設されるサバの陸上養殖場の完成イメージ図

 プラント大手の日揮(横浜市)は、浪江町の北産業団地でサバの陸上養殖を始める。水産会社のいわき魚類(いわき市)と新会社「かもめミライ水産」を設立し、陸上養殖の技術開発と生産実証、販路構築を進める。今冬に養殖場の建設を始め、2024年2月ごろから生産を開始する。

 日揮が20日に発表した。養殖場は北産業団地の敷地7900平方メートルに整備し、2棟の生産プラントを建てる。成育期間は約半年間で、24年夏ごろの初出荷を目指す。出荷量は段階的に増やす方針で24年度は30トン、27年度には60トンを見込む。電源の一部には太陽光による再生可能エネルギーを使い、環境負荷も軽減する。

 日揮は世界的な水産物需要の高まりを背景に、持続可能な水産業を目指し、岡山県で陸上養殖の試験生産を進めている。場所の制約が少ないシステムを活用し、養殖ノウハウの蓄積やシステム開発をしてきた。

 浪江町ではこうした成果も生かし、生食向けに需要が高まっているサバを生産する。センサーや画像から生産環境を可視化し、集積したデータをAI(人工知能)などで解析しながら生産に生かすシステムを開発する。生産の安定化と効率化でコスト低減を図るほか、水産物の供給全体の事業も展開したい考え。

 町は「町内には請戸漁港があり、浪江駅ではエビの養殖事業も始まっている。今回のサバの陸上養殖により、一層の浪江の漁業再興を図っていきたい」などと期待した。日揮の担当者は「浪江の水産業復興の一翼を担いたい」としている。