福島県内「緩やかに持ち直し」 日銀支店、景気判断引き上げ
日銀福島支店は20日発表した4月の県金融経済概況で、県内景気について「供給制約の影響がみられているものの、新型コロナウイルス感染症の影響が和らいでいることから、緩やかに持ち直している」とし、4カ月ぶりに総括判断を引き上げた。新型コロナ対応のまん延防止等重点措置が解除され、人出の回復とともに経済活動が活発化した。
項目別では個人消費を上方修正した。新型コロナの影響でこれまで振るわなかった衣料品や雑貨の販売が持ち直し、結婚式を行う動きもあった。外出自粛ムードが和らぎ、4月の県内主要観光施設の入り込み客数は速報で前年度比48.4%増に回復。特に大型連休中は帰省客や行楽客の増加などでにぎわいが戻った。
コロナ禍では消費の機会が減り、個人貯蓄が増加している。福島市で記者会見した植田リサ支店長は「強制貯蓄と呼ばれ、日本ではこの1、2年間で30兆~50兆円が積み上がっているとされる」と指摘。「自粛が続いた反動でペントアップ(繰り越し)の消費が期待される。物価上昇による買い控えの懸念はあるが、現時点でそうした動きは広がっていない」と述べた。
このほか、生産は半導体不足の影響が続いている。中国上海市のロックダウン(都市封鎖)を背景に物流網も混乱し、持ち直しは足踏み状態にある。自動車部品関連では中国の工場が稼働を停止、部品の調達難に伴い生産調整が生じている。
原材料価格や燃料、電気代の上昇などで企業を取り巻く経営環境は厳しい。ただ、植田支店長は販売価格に転嫁する動きが徐々に広がっているとし、「先行きは心配されるが、現時点で景況感は大きく悪化していない」との認識を示した。
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