いわきの浜「復活」 3年ぶり4カ所海開き、コロナ感染対策徹底

 

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で海水浴場の開設を見送っていたいわき市は今年、3年ぶりに海水浴場4カ所を開設する。23日に開いた市海水浴安全対策会議で決めた。海開き式は7月16日に薄磯海水浴場をメイン会場に各海水浴場で行う。開設決定を受けて内田広之市長は「感染対策をしっかりと取りながら、いわきの海を楽しんでほしい」と述べた。

 開設するのはコロナ禍前の2019年と同じく勿来、薄磯、四倉、久之浜・波立の4カ所で、8月15日までの午前9時~午後4時に開設する。

 東日本大震災後は開設していなかった新舞子ビーチ、豊間、永崎、小浜の4海水浴場については地元の運営体制確保が困難なことなどから、地元の意向を踏まえて廃止とした。ただ市は今後、運営体制の整備など条件が整えば再び開設できると説明した。

 市は今年の海水浴場開設に当たっての感染症対策方針も示した。

 マスク着用は国の指針に基づき、熱中症対策を優先して人と距離を十分に取るなど状況に応じてマスクを外すといった適切な対応を利用者らに周知するとした。

 出席者からは、水上バイクの乗り入れ禁止を明確に示してほしいとの意見が出た。市は、県の「遊泳者及びプレジャーモーターボートの事故防止に関する条例」を根拠に、これまでも遊泳区域への乗り入れを禁止してきたと説明し、救護目的などの例外を除いて乗り入れ禁止を周知徹底するとした。

 県内ほかに4カ所

 県内ではこのほか相馬市の原釜尾浜海水浴場、新地町の釣師浜海水浴場、南相馬市の北泉海水浴場、楢葉町の岩沢海水浴場が今夏に海水浴場を開設する予定。

 薄磯区長、にぎわい「少しずつ」

 「再開を待ち望んでいた。少しずつでもにぎわいを取り戻していきたい」。県内有数の海水浴客が訪れていたいわき市の薄磯海水浴場で長年、海の家を営んできた薄磯区長の鈴木幸長さん(69)は3年ぶりの開設決定に声を弾ませる。

 同海水浴場は東日本大震災前の2010年に、県内最大規模の約26万人が訪れていた。震災の津波で甚大な被害を受けた後、大規模な復旧工事を経て17年に待ちに待った再開を迎えた。再開後の入り込み客数は最大で年3万人台と震災前から大きく減少したが、少しずつ手応えを感じつつあった。「これからという時だった」。コロナ禍で震災後の再開からわずか3年での開設中断に、鈴木さんは肩を落とした。県内で開設する海水浴場がある中で、納得できない思いはあったが「感染を防ぐためだ」と、ぐっと気持ちをこらえた。

 海水浴場の再開に伴い、鈴木さんは期間中、再び海の家を営業する。「すぐには入り込み客数は戻らないと思う」としながら「まずはコロナ禍でも安全に夏を終わらせることが重要」と意気込む。地区の海水浴場安全対策実行委員長として、感染対策や海の事故防止へ警備態勢を検討していく考えだ。7月の開設を前に砂浜を訪れた鈴木さんは「また再出発。いわきの海水浴再開をPRしていきたい」と海を見つめた。