地方創生へ指針共有 知事サミット開催、「ふくしま声明」発表

 

 内堀雅雄知事ら21県の知事有志でつくる日本創生のための将来世代応援知事同盟は24日、Jヴィレッジでサミットを開き、新型コロナウイルス感染症で高まった地方への関心を好機と捉え、地方から新たな日本の創造を目指す共同声明「ふくしま声明」を発表した。従来の考え方にとらわれない柔軟な視点で将来を担う若者世代を社会全体で応援する機運を高めていく。

 会場となったJヴィレッジの全天候型練習場は、東京五輪聖火リレーのスタート地点。出席者が、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興のシンボルで、復興と地方創生の決意を共有した。新型コロナの世界的流行が社会経済に深刻な影響を与えただけではなく、社会的弱者の孤立や孤独、貧困の深刻化、少子化を加速させた―と指摘。大都市部への人口集中によるリスクも浮き彫りにさせたとし、新たな地方創生の在り方を考える契機と位置付けた。

 その上で、テレワークなど場所や時間にとらわれない暮らしと働き方を自由に選択できる社会の実現をはじめ、デジタル技術による事業変革(DX=デジタルトランスフォーメーション)を推進し、成功事例を創出することで地方からDXのうねりを起こすことに取り組む姿勢を強調した。

 新型コロナで療養中の内堀知事に代わって出席した鈴木正晃副知事ら15人が声明を読み上げた。

 25日は、出席者が第1原発や東日本大震災・原子力災害伝承館を訪れ、復興状況などを視察する。次回サミットは岩手県で開かれる予定。

 人材育成、実践例を共有 職場のDX推進でも知見

 日本創生のための将来世代応援知事同盟は、24日に開いたサミットで「しごとづくり・人材育成」「働き方改革・DX(デジタルトランスフォーメーション)」をテーマにしたパネル討論も行い、実践例を共有した。討論には一般社団法人BOOT(ブット、西会津町)代表理事の矢部佳宏氏、IT企業「サイボウズ」取締役の穂積真人氏=福島市=がゲストスピーカーとして参加し、取り組みなどを語った。

 しごとづくり・人材育成の討論で登壇した矢部氏は、西会津町で国際芸術村を運営するなど若者を呼び込むための活動を展開する法人の取り組みを紹介。新たな文化の発信と町の資源を融合させた仕事づくりを通して「(西会津町に)住みたいという理由をつくっていきたい」と述べた。働き方改革・DXの討論では、新型コロナウイルス感染症をきっかけに福島市にUターンした穂積氏が講演した。新型コロナで多様な働き方が広がっているとして「そういった人たちを後押しするため、自治体と企業がきっかけをつくり、多様な働き方ができる環境を整えることが重要だ」と提案した。

 サミットは2013年から全国各地で開かれ、今回で8回目。サミットの様子は動画投稿サイト「ユーチューブ」で配信された。