大野病院の後継検討へ 7月下旬にも会議設置、場所は大熊軸

 

 県は本年度、東京電力福島第1原発事故に伴い休止している県立大野病院(大熊町)の後継医療機関の設置に向けた検討に入る。早ければ7月下旬にも検討会議を設置、東日本大震災と原発事故から11年余りがたち避難指示解除の動きが出てきた中、病院の在り方について初めて具体的な議論に着手する。

 大野病院を巡っては地元の大熊町が再開を求め、県も応じる意向を示してきた。県は後継医療機関の設置場所について同町を軸に議論する考え。大野病院は2011年4月に双葉厚生病院(双葉町、休止中)と統合して民間に移譲される予定だったが、原発事故で白紙となっていた。

 原発事故前、大熊、富岡、浪江、双葉の各町にある大野病院を含めた4医療機関が周辺地域の救急医療を担っていた。現在はいずれも廃止か休止中で、救急患者を受け入れる病院がない上、診療所も大幅に減少している。

 県はこうした背景から、後継医療機関は地域で重要な役割を持つとして、将来にわたり地域医療を担える病院となるよう検討会議での議論を踏まえた設置計画を策定する方針。

 大野病院は1951年に開設した。既存の建物は4階建てで、3階建ての別棟もある。延べ床面積は計1万426平方メートル。休止前は内科や外科、眼科など9科目で診療を行っていた。

 原発事故後、建物は手つかずの状態だったが、県病院局が2020、21年に現地調査したところ、耐震性に問題はなく20年程度は使用できることが判明。ただ電気系統や機械設備、配管などは現状での使用が困難な可能性が高いという。

 検討会議は県が主催し、大熊町や医療関係団体などで構成することを想定している。既存の建物を使用するかどうかも含め、立地場所や診療科、病床数など地域の現状を加味して後継病院の在り方を話し合う。

 県は検討会議での議論について、来年度までの2カ年で進める考え。具体的スケジュールは今後詰める。県病院局は後継医療機関について「現在は全くの白紙。検討会議で議論し地域にふさわしい医療機関を考えていく」としている。

 県が27日の県議会政調会で方針を示した。