東北初、いわき市がトイレカー運用 高台や断水地域、避難所へ

 
いわき市が導入した災害用トイレカー

 いわき市は27日、災害発生時に避難所を巡るトイレ付き車両「トイレカー」の運用を開始した。市によると、東日本大震災や東日本台風の発生時には、断水でトイレ確保や衛生環境維持が深刻な課題となったといい、東北地方の自治体で初めて導入を決めた。

 導入した車両は3.5トン車で、洋式水洗便器5基、男性用小便器1基を備える。水タンク容量は約730リットルで、1回の給水で約100回の使用が可能。車いす利用者の昇降にも対応する。価格は1800万円。市は災害時、トイレがない高台などの一時避難場所や断水地域の避難所などに派遣を想定する。

 市によると、災害時に避難者は避難所のトイレや仮設トイレを使用するが、水洗や洋式は用意しにくい場合が多く、汚れて使いにくいことから敬遠されてしまう傾向にある。避難者がトイレの回数を減らそうと水分摂取を控えた結果、健康への影響が危惧され、不衛生な環境で感染症流行の可能性も高まる。排せつ環境の整備は優先課題という。

 トイレカーは、阪神大震災の発生や製造会社所在地の関係から西日本を中心に導入が進んでおり、今後は東日本大震災を経験した東北各地の自治体でも関心が高まるとみられる。市が導入した車両は1台だが、担当者は「災害発生時には導入する全国各地の中核市同士でトイレカーを派遣し合うなど協力し、安心できる避難環境を確保したい」と話している。