「ネット予約」密避け健診へ 田村市、受診控え解消のモデルに

 

 田村市は、新型コロナウイルス感染症の影響で落ち込んだ総合健康診査の受診率アップを狙い、県保健衛生協会と連携してインターネットでの予約受け付けを始める。協会と自治体がネット予約で共同事業を展開するのは初めて。協会は予約方法の選択肢を増やすほか、「密」を避けて待ち時間の少ないスムーズな健診の実施で受診率向上につなげたい考えで、田村市をモデルケースに他の自治体へ広めたい考えだ。

 総合健診は公共施設などに健診バスを駐車して実施する「巡回型」と、医療機関で行う「施設型」の2種類があり、市民は血液や尿検査、がん検診などを受ける。市保健課によると、40~74歳が対象の「特定健診」の受診率はコロナ禍前の2019年度が42.82%だったが、20年度は38.23%、昨年度は34.51%と減少傾向にあり、担当者は「人が集まるため『密』のイメージがあり、ほかの人との接触を避けたい気持ちが受診控えにつながっているのではないか」と指摘する。

 ただ、実際の健診会場では換気や消毒液の設置など感染症対策が取られているほか、コロナ禍で受診者の数も制限され、待ち時間が少なくなってきている。

 市はこれまで電話予約のみだったが、6月からネット予約を開始。市民はホームページやQRコードから24時間申し込め、名前や生年月日など必要事項を入力するだけで簡単に予約が可能だ。担当者は「日中に働いていて電話できない人でも、いつでも予約できる。新型コロナワクチンの接種でもネット予約を受け付けているので、スマホやパソコンなどを使った予約に抵抗感がある人は少なくなっているはず」と推測する。

 協会は市町村からの委託を受けて巡回健診を実施している。協会によると、県内の自治体では電話予約が大半。協会の担当者は「スマホなどの扱いに比較的慣れている40~50代の受診率が伸びれば、働き世代の病気の早期発見と治療につなげることができる」と強調。「田村市の事例を追い風に、ネット予約を県内の自治体に広めたい」と期待する。