悩むマスク着用緩和 「人目気になる」大人、子ども「熱中症怖い」

 
公園でサッカーを楽しむ家族連れ。多くの人がマスクを着用していた=28日、あづま総合運動公園

 新型コロナウイルスの感染対策として県民生活に定着したマスクについて、政府が屋内外などの着用基準の一部を緩和した。夏場にかけては熱中症なども危惧されるが、マスクの着用緩和について県民はどう受け止めているのか。5月最後の週末、各地で声を聞いた。

 28日午前の福島市のあづま総合運動公園は好天に恵まれ、芝生の広場では、体を動かしながら休日を過ごす家族連れの姿が目立った。「これからは熱中症も怖い。子どもは暑くなればマスクを外していいと思う。でも大人はやっぱり人目が気になる」。おいっ子2人とボール遊びをしていた福島市の会社員山中千夏さん(31)はそう話した。

 公園内では、多くの人が依然としてマスクを着用していたが、中にはマスクを外して駆け回る子どもたちの姿も。政府は、屋外では2メートルの距離を取れる場合、マスク着用は必要ないとする。一人でウオーキングに汗を流していた桑折町の薬剤市斎藤直美さん(51)もしっかりマスクを着用。職業柄、人が集まる場所は避けているといい「本当は息苦しいが、念のため着けている」という。マスク着用が緩和されても感染の不安があり「外で友人と話すときでもマスクを着けてもらうよう頼んでいる」と気を付けている。

 喜多方市で行われたウオーキング大会では、マスク姿の観光客が蔵のまちを堪能していた。イベントは、ワクチン接種や陰性確認など感染防止策を講じ、参加者にマスク着用も呼びかけて開かれた。参加した会津坂下町の二瓶忠男さん(67)は、マスクについて「食事のときは気にしなければいけないが、外のイベントは外してもいいと思う」と緩和には賛成の考えだ。ただ自分がマスクを外すとなると考えは違うようで、「やっぱり『周囲の目』は気になる。私は積極的にマスクを外そうとは思わない」と話した。

 学校や保育所対応に苦慮

 政府の指針改定では体育の授業でマスク着用が必要ないとされたほか、2歳以上の子どもに一律に着用を求めない方針が明記された。ただ、感染拡大が続く中、県内の学校や保育所、幼稚園は対応に苦慮する。

 「市中感染者が一定数いる現状で対策を緩めるのは現実的ではない」。いわき市のさかえ幼稚園の吉田元園長(53)は話す。同園では、県の重点対策が延長されたことも踏まえ、体を動かす時間以外は園児のマスク着用を継続することを決めた。

 幼稚園では抱っこやおんぶなど職員と園児の接触は避けられず、2メートルの距離を確保することも「事実上できない」(吉田園長)。夏場の熱中症については冷房を適切に使ってリスク低減を図り、マスク着用を続ける方針だという。

 郡山市では国のマニュアルに基づき、体育の授業はマスクを適度に外すなど対応してきた。ある中学校の関係者は「熱中症の危険もあるので、今後もマスクを外すときはメリハリをつけて取り組む必要がある」と気を引き締める。

 マスク着用緩和には「『外しても大丈夫』といってもあくまでもコロナ下であり、感染の危険性がなくなったわけではない」と心配は拭えない。「家庭内での感染が心配な子どももいる。マスクを外す判断は子どもの気持ちを尊重しつつ、熱中症対策のため一人一人の様子をしっかり見て対応したい」とした。