男性育休とりやすく 新制度開始、雰囲気づくりへ研修・相談を充実

男性も育児休業を取りやすくするための新制度が本年度から、段階的に始まった。改正育児・介護休業法が施行され、4月から全ての企業は男性を含む社員に育休取得の意向確認や制度の周知が義務付けられた。10月からは妻の産休期間に合わせて夫が取れる「産後パパ育休(男性版産休)」もスタートする。県内の企業や関係機関も、鍵を握る職場の雰囲気づくりに向け、取り組みを急いでいる。
「制度の改正点を教えてほしい」「妻が出産を控えているので内容を知りたい」。福島労働局には、県内の企業や個人から、新制度についての問い合わせが寄せられている。雇用環境・均等室の辺田幸子室長は「管理者の意識で、その企業の育休取得率に差が出ている」と現状を指摘する。同労働局はこれまで人事労務や管理者向けに改正点に関するセミナーを開いており、辺田室長は「育休への理解を進め、会社内で環境整備が進むよう働きかけていきたい」と一層の周知徹底を図る考えだ。
内閣府が昨年6月に公表した男性の育休取得に関するアンケートでは、20~30代の既婚男性に育休の取得予定を聞いたところ、42.2%が「取得しない」と答え、最も多かった。「取得予定」は39.4%で、このうち「1カ月以上取りたい」と答えたのは8.4%にとどまった。
「迷惑かかる」42%
1カ月以上の育休を取得しない理由(複数回答)については「職場に迷惑をかけたくないため」が42.3%で最多。次いで「収入が減少してしまうため」が34%、「職場が、男性の育休取得を認めない雰囲気であるため」が33.8%。それぞれの職場で、育休を取得しやすい「雰囲気」をつくることが求められている。
「育休取得が工事の繁忙期に重なったとしても、円滑に仕事を進められるように対応していきたい」。いわき市の福浜大一建設の取締役総務部長の遠藤順一さん(55)はこう話し、新制度への対応を加速させる考えだ。
同社は男性が多い業種ながら、各部門で男性の育休取得に積極的に取り組んできた。管理職に育休の必要性を説明するなどし、育休の取りやすい職場の雰囲気づくりにつなげてきた。
遠藤さんはさらに職場環境を充実させるため、取り組みの「見える化」が必要だと強調する。「社員の目に見える形で育休に関する研修や相談体制などを整えていきたい。男性が家庭を大切にすることが良い仕事にもつながる。会社として最大限応援したい」と意気込む。
10月からスタートする「産後パパ育休(男性版産休)」では、出産から8週間以内に計4週を2回まで分けて取得可能となる。会津若松市のある企業の担当者は「(産後パパ育休について)社内で周知を図っている段階で、現時点で具体的なイメージは湧きにくい。就業規則など具体的な内容は、今後決めていきたい」と話した。
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