交流人口拡大へ、6テーマで15市町村連携事業 経産省と福島県

 

 経済産業省と県は、浜通りなどの15市町村の交流人口拡大に向け、市町村間の連携促進を軸にした施策を展開する。「酒・グルメ」「スポーツ」など六つのテーマを設定した上で複数の市町村がテーマごとにタッグを組み事業に着手、民間企業も巻き込んで魅力の最大化を図る。7月中にも発足させる「15市町村広域マーケティング機関(仮称)」を司令塔に広域展開できる企画を立案して周遊につなげる。

 31日、大熊町で開いた検討会で実行計画を策定した。15市町村は、東京電力福島第1原発事故で避難指示が出された12市町村と、いわき、相馬、新地の3市町。震災と原発事故から11年が経過し、若い世代を中心とした人口減少に歯止めがかからない中、まずは交流人口の拡大を視野に取り組みを進め、将来的な15市町村への移住・定住と産業振興を見据える。計画期間は2025年度まで。

 六つのテーマと連携市町村は【表】の通り。会議では「酒・グルメ」「スポーツ」の2テーマを先行的に進める方針を了承。酒・グルメでは、避難先から帰還するなどし、現地でなりわいを再開させた生産者との交流を通して生きざまを体感してもらいながら酒やグルメを堪能できる広域ツアーを想定する。

 7市町村が連携するスポーツでは、各市町村によって異なる復興の進捗(しんちょく)状況が伝わるようなサイクリングルートの設定や地元ガイドの養成などを見込む。各テーマとも個別の協議の場を設けて目標値などを設定する。検討会では、デジタルを活用した情報発信力の強化についても確認。計画には、専門家を招いた研修会によるノウハウの蓄積に加え、15市町村内の来訪動向などを分析したデータ基盤の構築と運営を盛り込んだ。

 検討会には、15市町村の副市町長らが参加した。出席者からは、テーマごとの取り組み状況共有に加え、25年度以降の継続的な支援を求める要望もあった。県商工労働部の紺野香里政策監は「一つでも多くの計画を実現するため県も一緒になって支援する」と述べた。

 実行計画の策定を巡っては、昨年2月の「原子力災害からの福島復興再生協議会」で、梶山弘志前経産相が内堀雅雄知事からの要望に応える形で明言。同12月から3回にわたって非公開の検討会を開いていた。