被災者のために働く... 富岡出身の警察初任科生、捜索活動に思い

 
子どもの頃からの夢をかなえ、行方不明者の手掛かりを捜す原巡査(左)

 双葉署は5月30日、浪江町の請戸中浜地区の海岸で、東日本大震災による行方不明者の捜索活動を実施した。その中には、4月に県警に採用された警察学校初任科生で、富岡町出身の原慧士郎巡査(23)の姿もあった。震災で被災し、避難生活を送ったこともある原巡査は初めて捜索活動に参加し「被災者のために働く」という思いを強くした。

 「捜索活動への思いは人一倍強い。一つでも手掛かりを見つけたい」。レーキなどを使い、砂を丁寧にかき分けて手掛かりを探す原巡査の言葉に力がこもった。

 4歳で剣道を始めた原巡査は、道場を訪れる警察官の礼儀正しさや技術の高さに憧れを抱き、警察官を志した。小学5年生の時に震災が発生し、川内村や石川町などで避難生活を送った。そこで市民の命を守るために奮闘する警察官の姿を見て、警察官になりたい思いはさらに強くなった。

 「被災した福島の人を支えよう」。地元の警察を選び、ことし4月、長年の夢をかなえて警察官としての第一歩を踏み出した。警察官として初めて行った捜索活動は「震災当時のことを思い出した」が、被災者のつらい思いを知っているからこそ「誰にでも笑顔で接し、県民から頼ってもらえる警察官になりたい」と決意を新たにした。

 この日の捜索には、双葉署員や双葉地方消防本部職員、被災地研修の一環で参加した初任科生の計約70人が参加。黒沢毅署長は「帰宅を待ち望んでいる家族のため、誠心誠意取り組んでもらいたい」と訓示した。