母国復興の力に...ウクライナ避難4人が東日大入学

 
記者会見で質問に答えるダビシーイさん(手前)と一緒に出席したスツジンスカさん(中央)とクセンコさん(右から3人目)=31日午後、東日本国際大

 ロシアによる軍事侵攻で学ぶ環境を奪われたウクライナの学生4人が31日、いわき市の東日本国際大に留学生として入学した。1日に授業が始まり、2年間にわたって日本語や日本の文化を学ぶ。「日本の文化、政治、経済を学び、将来は母国の戦後の発展のために働きたい」。入学式後に記者会見に臨んだ学生は侵攻による被害が深刻化している母国の復興の力になろうと、本県で学業に励む決意を口にした。

 入学したのはダリア・スツジンスカさん(24)=オデッサ出身、マキシム・クセンコさん(20)=クリブイリフ出身、ディミトロ・ダビシーイさん(19)=キーウ出身、フロイア・アロナ・アクロアさん(21)=同=の男女2人ずつの4人。新型コロナウイルス対策で入国後の待機が求められているアクロアさんを除く3人が式に出席した。

 「悪夢だった。勉強したくてもできない。私たちの全ての機会が(ロシアの侵攻で)失われた」。キーウ国立大に通っていたダビシーイさんは母国を離れざるを得なかった状況をそう表現した。ロシア侵攻後は隣国ポーランドに出国し、同国から来日。「まずは日本語を学び、コミュニケーションを取りながら文化に理解を深めたい」と意欲を語った。

 亡くなった祖父が日本人で、同様にポーランドから来日したというクセンコさんは国際経済を学びたいといい「ウクライナの戦後の経済発展のために尽くしたい」と将来の目標を語った。また、いわき市について「景色が美しいところだ」と印象を語った。

 5カ国語を話し、中国で英語教師のインターンシップも経験したスツジンスカさんは「母国には一日も早く元の姿に戻ってほしい」と切実な思いを述べる。一方、日本の歴史が好きで「日本に来ることが夢だった」とも明かし、受け入れてくれた関係者への感謝の言葉を述べた。

 大学は5月16日にウクライナ避難学生の受け入れを表明。学費を免除し、学生寮などの宿泊施設を提供する。

 大学は今後も20人程度の受け入れを予定している。

3人の出身地

 福島県内、進む支援態勢

 県が把握している県内へのウクライナからの避難者は31日現在、東日本国際大の留学生を除き4人。いわき市のほか、福島市や二本松市などで受け入れている。

 支援態勢の構築も進んでいる。県は避難者を支援するため「ふくしまウクライナ避難民支援金」を募集しており、避難者に一時金として支給する方針。生活支援に向けて庁内に連絡調整会議を設置し、国の支援制度などをスムーズに適用できるように関係部局で情報共有を図っている。いわき市では、同大で受け入れた留学生らからの要望を踏まえ、独自の支援制度の枠組みを構築する考えを示している。