富岡・復興拠点でコメ作付け 試験栽培、指示解除後の営農再開へ

 
富岡町の復興拠点で初めて田植えが行われた試験栽培

 富岡町は1日、東京電力福島第1原発事故に伴う帰還困難区域のうち特定復興再生拠点区域(復興拠点)で初めてコメの試験栽培に乗り出した。町は来春に復興拠点の避難指示解除を予定しており、解除後の営農再開につなげたい考えだ。

 広野町の新妻有機農園が復興拠点の川田地区にある水田約30アールに作付けした。9月中旬ごろに収穫し、放射性セシウム濃度を測定する。食品の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を下回れば来春から作付けが可能になり、実証栽培に移る。実証栽培で基準値を下回れば出荷できる。試験栽培で作る本年産米は全て廃棄する。

 富岡町によると、復興拠点の面積約390ヘクタールのうち東日本大震災前は農地が約90ヘクタールあり、このうち約80ヘクタールで除染を終えた。町内全体の農地は約1200ヘクタールで、営農を再開したのは15%に当たる約180ヘクタールという。

 農業再生に向けた課題は避難生活の長期化で不足する担い手の確保だ。町は農地の地権者に意向調査を行い、営農の意向がない場合は、JA福島さくらと連携して就農者を誘致する。

 田植えに立ち会った町産業振興課の渡辺善幸副主査は「農業は町の基幹産業だ。早期の営農再開を目指し、担い手の確保にも力を入れて取り組む」と話した。