「空の旅」只見線応援!へリで空撮、遊覧企画 若松の運航会社

 
金山町上空から見た只見川、只見線沿線(ジャパンフライトサービスのヘリから撮影)

 JR只見線の魅力を空から満喫して―。ヘリコプター運航会社のジャパンフライトサービス(会津若松市)は、10月に全線再開通する只見線沿いをフライトするツアーを同月から始めようと、準備を進めている。只見線の運行時間に合わせて飛び、鉄道を空撮する「空鉄(そらてつ)」をファンらに楽しんでもらうプランなどを検討している。同社社長の古田和人さん(51)は「われわれができる空からの応援で、観光を盛り上げていきたい」と意気込む。

 古田さんは金山町の奥会津郷土写真家、星賢孝さん(73)とかねてから親交があり、只見線の利用促進を巡り2人で話し合う中で出たアイデアが空撮ツアーだった。2人は実際に只見線沿いを飛び、空から見た奥会津の絶景の魅力を確認。星さんは「上空から見ると地上からでは分からない雄大な自然や地形などがよく分かる」と太鼓判を押す。

 ツアーでは、只見線の車両が雄大な奥会津の自然の中を進む美しい光景を空から楽しんでもらう。運行時間に合わせてフライトする「只見線並走プラン」のほか、運行時間にかかわらず景色を楽しむ「遊覧プラン」も計画している。航空運送代理事業を展開する「AirX(エアーエックス、東京都)」が販売を担う予定で、夏ごろに試験的な旅行商品を作ることを検討している。

 古田さんには、只見線再開通に対する特別な思いがある。ジャパンフライトサービスはヘリによる医療支援を手がけており、只見線が被災した2011(平成23)年7月の新潟・福島豪雨の際は、「医療に困る人がいるのではないか」と金山町に向けフライト。町内に着陸し待機していた。その際、会津川口―只見間で橋が流失する様子など、甚大な被害を目の当たりにした。ツアー料金などはこれから検討していくが、収益の一部は只見線運行に関わることへ寄付する考えだ。

 新型コロナウイルスの感染拡大前は、奥会津の絶景を求めて台湾を中心に多くの外国人観光客が只見線沿線などに足を運んだ。政府は訪日外国人観光客の受け入れを6月10日から再開することを表明。只見線が復活した後の外国人観光客の来訪にも期待がかかる。

 星さんは「陸と空の両方から只見線を紹介し、『何回来ても素晴らしい』と言ってもらえるようにしていければいい」と願う。「全線再開通の10月は、紅葉がとてもきれいだろう」と話す古田さんは、秋色の只見線を一望する観光客の楽しそうな姿を思い描いている。