福島県、連日ひょう被害 昨年の霜に続き...農家ため息

 
3日昼ごろ、伊達市月舘町に降った直径1.5センチほどのひょう

 3日の県内は寒気を伴った低気圧の影響で大気の状態が非常に不安定になり、日中に広い範囲でひょうが降った。2日夕に続く連日の降ひょうにより農作物の被害が各地で発生し、その全容はまだ明らかになっていない。「無事に育つだろうか」。農家は傷が付いた実や葉を心配そうに見つめた。

 「雨だと思っていたら突然ひょうが降ってきて、辺り一面真っ白になった。50年農家をやってきて初めての経験だ」。伊達市月舘町糠田でモモとリンゴを育てている森果樹園の森セツ子さん(78)は、3日昼ごろに発生した突然の降ひょうに言葉を失ったという。

 JAふくしま未来の担当者によると、同市月舘町の一部地域で、まだ小さいモモやリンゴの実などに傷が付いた。未成熟の果実に傷が付くと生育に影響が出て、割れてしまったりするため収穫できても商品価値が下がってしまうという。「昨年の凍霜害でリンゴは全滅。『今年は大丈夫だろう』と思っていたところだった」。森さんは傷が付いたリンゴの実を手に取り、肩を落とした。

 福島市大笹生の果樹農家樋口信英さん(68)も同日、ナシの実に被害を受けた。5月末に1回目の摘果を終えたばかりで「タイミングは最悪」と表情は暗い。今後も摘果作業は行うため、傷が少ない果実を残していくという。「影響は最小限であってほしい」と祈る。

 飯舘村では同日正午ごろ、直径2センチほどのひょうが断続的に降った。村によると、葉タバコやインゲン、小菊などに被害があった。村内でカボチャやジャガイモを栽培している農家木幡三郎さん(71)は「こんな大きなひょうが降ったのは初めて。今後また降るのではないかと心配になるが、天気ばかりはどうしようもない」と嘆いた。

 2日夕に降ったひょうも、須賀川市など広い範囲に被害をもたらした。同市大栗の農家石井文和さん(69)の約30アールの露地のキュウリ畑では、ほぼ全ての苗について葉が破れたり茎が折れるなどの被害が生じた。「苗は傷つくと病気になりやすくなる」。3日に苗の消毒を行った石井さんは不安をにじませる。

 JA夢みなみによると、管内では昨年6月にもひょうによる被害が起きたが、今回は昨年よりも広範囲に及び、被害も大きい恐れがあるという。4日、対策会議を開き被災農家の支援策などを検討する。

 県内ではこのほか、2日から3日にかけ相馬市や小野町、西郷村、中島村の農産物に被害が確認された。県は来週中に被害状況をまとめ、公表する方針。