復興拠点避難解除、理解求める 大熊住民説明会、議会に意見報告へ

 
(上)大熊町の復興拠点の避難指示解除に向けた住民説明会=4日午前、会津若松市(下)大熊町の地図

 大熊町と政府は4日、東京電力福島第1原発事故による帰還困難区域のうち、特定復興再生拠点区域(復興拠点)の避難指示解除に向けた住民説明会を会津若松、郡山の両市で始めた。最終日の5日はいわき市と大熊町で開く。解除時期を巡り、吉田淳町長が「6月末~7月上旬」を目標にする中、町は説明会で出された町民の意見や要望を10日の町議会全員協議会に報告した上で、政府や県と協議して解除日を判断する。

 会津若松市会場に31人、郡山市会場に21人が参加した。町と政府は、復興拠点の放射線量が除染により国の解除基準(年間追加被ばく線量20ミリシーベルト)をおおむね下回り、町除染検証委員会が「解除は妥当」との結果を報告したことやインフラ復旧の状況などを示した。

 会津若松市会場を訪れた女性(46)は放射線量に関し「将来的に年間1ミリシーベルト以下を目指すと言うが、子を持つ母親として不安が募る。解除後も放射線に関する丁寧な説明を続けてほしい」と求めた。

 郡山市会場に出席した男性(68)は「除染し、電気やガスを整備したから帰ってほしいと言われても困る。川で魚釣りはできないし、畑仕事もちゅうちょする。11年前の生活環境に戻すのが筋ではないか」と訴えた。

 吉田町長は説明会後、郡山市で報道陣に「帰りたいと思うからこそ不安の声があった。町民の意見を議会に報告したい」と述べた。

 大熊町の復興拠点は、かつての中心部だった下野上地区を含む約860ヘクタールで、東日本大震災と原発事故前は約6千人が住んでいた。