水素自動車で移動販売開始 イオンとトヨタ、双葉と浪江に生鮮食品

 
移動販売車で買い物する住民=10日、浪江町・請戸住宅団地集会所

 イオン東北とトヨタ自動車が、双葉町と浪江町で実施する燃料電池車(FCV)を活用した食品などの移動販売の出発式が10日、浪江町のイオン浪江店前で行われた。両町は、帰還困難区域にある特定復興再生拠点区域(復興拠点)の避難指示解除を控えており、買い物環境の整備が求められている。同日には浪江町の請戸住宅団地で販売が行われ、住民が生鮮食品などを買い求めた。

 ワゴン形式の移動販売車は、トヨタが開発し、原動力となる水素は浪江町の福島水素エネルギー研究フィールドなどから調達する。水素を使った効率的な発電ができるため、冷蔵や冷凍、保温の設備を充実させており、食料品や日用品など最大500品目を扱うことができる。

 請戸住宅団地では、販売スタッフが商品を陳列した後「今から移動販売を始めます」と呼びかけると、住民が集まった。野菜や弁当などを買った舛倉フミ子さん(88)は「普段はデマンドタクシーで買い物に行っている。近くまで来てくれて助かる」と話した。別の女性(65)は「これからは移動販売が来る時には家にいるようにします」と買い物を楽しみにしていた。

 出発式では運営主体を代表し、イオン東北の辻雅信社長が「両町の地域活性化や新たなサービスの創造につなげていきたい」とあいさつした。テープカットで販売車を見送った双葉町の伊沢史朗町長は「復興拠点の避難指示解除を前に、買い物環境が整い始める中で意義深いものがある」と語った。吉田数博浪江町長は「住民の買い物への不安を少しでも解消できれば」と今後の移動販売のさらなる充実に期待感を示した。

 移動販売は13日から本格的に始まり、土、日曜日を除く週5日、曜日別に決められたルートを運行。販売場所は浪江町8カ所、双葉町2カ所からスタートする。支払いはイオンの店頭レジと同じ現金、電子マネー、クレジットカード、商品券などとなる。

運行ルートと販売場所