「帰還困難区域」初の居住再開 葛尾・野行の復興拠点で避難解除

 
降りしきる雨の中、開放されたバリケード。居住再開に向け避難指示が解除された=12日午前8時、葛尾村野行地区

 東京電力福島第1原発事故による帰還困難区域のうち、葛尾村野行(のゆき)地区の特定復興再生拠点区域(復興拠点)で12日午前8時、避難指示が解除された。放射線量が高く、長期にわたって居住が制限される帰還困難区域で、住民が暮らせるようになる初めてのケースとなった。県内6町村にある復興拠点で避難指示が解除されたのも初めて。

 雨が降る中、午前8時になると、立ち入りを規制していたバリケードが順次開放された。解除に立ち会った篠木弘村長は取材に「解除はゴールではなくスタートだ。この野行の地で住民と話し合いを続け、復興への取り組みを進めたい」と述べた。

 半沢富二雄さん(69)は解除当日、新築した住宅を訪れた。「11年の歳月は長かった。バリケードがなくなったのを見て本当に解除されたんだと安心した一方、放射線への不安は多い。若者が野行に興味を持ってくれるよう、荒廃した土地の草刈りをして、きれいに管理していきたい」と話した。

 野行は村北東部に位置し、原発事故で地区全体の約16平方キロが帰還困難区域となり、うち約0.95平方キロが復興拠点として整備された。村によると、復興拠点の住民登録は30世帯82人だが、多くは避難先で生活を再建しており、帰還意向を示しているのは4世帯8人にとどまる。

 村には震災前、1567人が住んでいた。6月1日現在の村全体の居住人口は467人で震災前の3割にとどまる。村は基幹産業の農畜産業の再生や、企業誘致による産業と雇用の創出、住環境の整備、移住・定住策など各種施策を展開。原発事故で全村避難した地域の復興・再生を進める。

 双葉は6月以降

 復興拠点を巡っては、双葉町が今月以降、大熊町が今月末~7月上旬の避難指示解除を目指している。浪江、富岡、飯舘の3町村は来春ごろの解除を予定。