葛尾村民「復興へ新たな区切り」 野行地区の居住再開

 

 県内6町村に設定された特定復興再生拠点区域(復興拠点)のうち、12日に先行して避難指示が解除された葛尾村。同日は東京電力福島第1原発事故で村の大部分に出ていた居住制限、避難指示解除準備の両区域が解除されてから6年の節目も重なった。村民らからは「野行(のゆき)の解除は村全体の復興に向けた新たな区切り」と、古里の再生を願う声が上がった。

 「震災から11年以上村外に避難していても、やっぱり葛尾が落ち着く」。そう話したのは村出身で、震災後にいわき市で生活を再建させた自営業生沼理栄子さん(47)。月に数回、両親が暮らす葛尾の実家に帰っている。野行地区の一部解除については「戻る人は少なくても、古里に帰れることは一番うれしいこと。また一つ葛尾の復興が進んだ」と語り、「村の存続には世の中の動きに合わせ、柔軟な発想で人を呼び込むことが大事」と話した。

 持続可能な村づくりのためには、移住定住の促進や若い力が必要不可欠だ。葛尾むらづくり公社職員として働く秋田県出身の茂木若菜さん(20)もその一人。郡山女子短大で地域活性化について学びを深めるうちに「復興の力になりたい」と移り住んだ。「村民と移住者が交流できる機会を増やしていきたい」と村の継承に尽力しようと考えている。

 解除「大きな前進」

 内堀雅雄知事は13日の定例記者会見で、葛尾村の特定復興再生拠点区域(復興拠点)で避難指示が解除されたことについて「帰還を希望されている方々にとって極めて重要で、帰還困難区域内で初めて居住が可能となり村の復興にとっても大きな前進だ」と述べた。

 一方、帰還を巡ってさまざまな選択をする住民がいることを踏まえ「さまざまな考えや気持ちを十分に尊重しながら、帰還する意向を持つ方々が安心して古里に戻ることができるよう環境整備に努める」と強調。帰還意向のない人に対しては「古里との絆を結ぶことができるよう、きめ細かく対応していくことが重要だ」と話した。