処理水海洋放出の安全議論終結 検討会、報告書の作成着手

 

 県と東京電力福島第1、第2原発立地町でつくる県原発安全確保技術検討会は13日、オンラインで会合を開き、政府の福島第1原発処理水の海洋放出方針を受けた、放出の安全面に関する一連の議論を終結した。同日、内堀雅雄知事や第1原発立地町の大熊、双葉両町が、東電の設備設置計画を了承するかどうかの検討材料となる報告書の取りまとめに着手した。

 第1原発の多核種除去設備(ALPS)処理水の海洋放出方針を巡っては、これまで検討会で5回、廃炉安全監視協議会で4回、同協議会モニタリング部会で4回の計13回にわたり、自治体や専門家が安全性について議論した。

 検討会は議論結果の報告書を取りまとめて協議会に示し、意見を募る。その上で東電から計画に関し「事前了解願い」を受けている知事と大熊、双葉両町に報告書を提出する方針。

 東電は、原子力規制委員会に、放出設備設置に向けた計画の認可を申請している。規制委は計画について安全性に問題はないとする審査結果を了承しており、早ければ7月にも正式認可が下りる見通し。現在は意見公募を行っている。同協議会では、意見公募の内容についても議論される予定。

 放出後の異常公表基準、緊急停止時などを検討

 東京電力は13日に開かれた検討会の会合で、処理水の海洋放出後に異常が発生した場合の公表基準について、現段階の方針を示した。放出の開始や終了、緊急的に停止した場合に公表することを検討している。

 異常が発生した場合の公表について基本的な考え方を示すよう、検討会が東電側に求めていた。東電は公表基準について「廃炉作業への影響や地域住民への安全・安心に配慮し、自治体の意見を踏まえ決定する」としている。

 また東電は、第1原発港湾内への魚の侵入を防ぐ音響設備の設置を検討しているとも説明した。港湾外から魚が入り、放射性物質を取り込んだ後に外洋へ出るのを防ぐのが目的という。

 会合に出席した専門家からは、東電の計画についての異議や不備を指摘する意見はなかった。一方で、第1原発で処理水が発生する要因となる汚染水の抑制対策や、設備運用後に想定される人的ミスの防止などを求める意見が出た。