浪江駅周辺、調和のまちに 再開発計画、隈研吾さんと連携

 
(写真)浪江駅前再開発のグランドデザインで示された駅前広場周辺の鳥瞰図。駅から商業施設までをつなぐ大屋根「なみえルーフ」が特徴的なデザインとなっている((c)KengoKuma&Associates)

 浪江町は12日、建築家隈(くま)研吾さんらと連携したJR浪江駅前周辺再開発の「グランドデザイン基本計画」についての住民説明会を開いた。水素エネルギーと木材を環境に調和させた「新しいが懐かしさ、暖かさを感じさせるまち」を目指し、駅前広場から商業施設、住宅まで一体感のあるまちづくりを進める。総事業費は現段階で約180億円で、2026年度までの整備完了に向け、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興の起爆剤としたい考えだ。

 基本計画の全体像は【図】の通りで、JR浪江駅前から新町通り、そして町全体に広がっていくような人の流れをつくる。駅前には芝生広場と商業施設、交流施設を整備する。両施設をつなぐようにアップダウンのある大屋根「なみえルーフ」を設け、軒下も含めて人が集まりやすいような工夫を凝らした。

 交流施設は、新型コロナ後の社会を先取りし、コワーキングスペースやカフェスペースを設ける。商業施設はスーパーマーケットをキーテナントに、飲食店などを誘致する。広場を囲むように公営住宅、民間に開発を委託する民間住宅を整備し、交通や買い物、住宅などがコンパクトに集まったまちとする。建物の外装と内装、構造材にふんだんに木材を使い、暖かみのあるデザインで統一する。

 新町通りに向けては連続する緑の空間を設け、四季折々に草花で彩る。デッキテラスやチャレンジショップなどに使える商業施設、スケートボードなどを楽しむことができるアーバンスポーツパークなどを配置し人の流れを生み出す。

 浪江町の「福島水素エネルギー研究フィールド」で生産した水素を主軸として、屋上や壁面の太陽光パネルなどの再生可能エネルギーを最大限に活用する仕組みを整える。使用する木材は、町内でつくる集成材や県産材を最大限活用する。

 基本計画は、町と隈研吾建築都市設計事務所、伊東順二事務所、住友商事の協定に基づいてつくられた。吉田数博町長は「町にとって歴史的な大事業となる」と意気込みを語った。設計した隈氏は「商業と住宅、広場を一度に手がけ、住む人の身になったまちをつくる絶好の機会」と語った。伊東順二東京芸術大特任教授、近藤真史住友商事エネルギーイノベーション・イニシアチブ水素事業部第1チーム長が、地域とのつながりや水素エネルギーなどを説明した。

 プレ交流施設10月開所

 説明会では、10月から、隈氏がデザインした「プレ交流施設」を駅駐車場に先行オープンすることも報告された。