食材高騰...悩む学校給食 福島県内「おかず減らさず」献立工夫

 
小学校で給食を楽しむ児童。学校給食も食材価格高騰のあおりを受けており、栄養バランスの取れた給食を提供するため、栄養士らは頭を悩ませている

 混乱の続く国際情勢や円安に伴う食材高騰が、県内の学校給食にも影響を与えている。新型コロナウイルス禍などで家計負担が増す中、給食費への反映も難しく、給食の現場では調理や献立の工夫で乗り切ろうと知恵を絞る。

 「ほとんどの(食材の)単価が上がっている。特に給食で毎日使うような油や調味料などが高い」。原町二小(南相馬市)の栄養士竹沢さち子さん(54)は話す。南相馬市は本年度、子育て世帯の負担軽減を目的に小中学校の給食費を無償化したが、そこに急激な食材の高騰が重なった。

 同市によると、給食の予算は「価格変動や高騰を見据えて計上している」といい、積み増す予定などはない。一方で、食材価格高騰の対応と子どもたちの栄養バランスの両立を図るため、現場では献立などに工夫を凝らしている。サラダのドレッシングを市販のものから手作りにしたり、献立を油を多く使う唐揚げから照り焼きに変えたりしながら、厳しい状況に対応している。竹沢さんは「子どもたちの栄養を偏らせるわけにもいかない。おかずを減らすのではなく、工夫しながら給食を提供していきたい」という。

 県内では、子育て支援などから給食費の無償化など公費補助に取り組む自治体が増加。さらに長期化するコロナ禍と物価高騰が家計に与える影響も大きくなっており、自治体も給食費の値上げには慎重だ。

 物価上昇を受け、2020年に給食費を値上げしたいわき市。食材の高騰によって再度、給食費の値上げが必要な状況になりつつあるという。しかし、市教委の担当者は「見直したばかりというのもあるが、何よりコロナ禍で家計負担が増えている」といい、コロナ対策に使える地方創生臨時交付金で値上げ分を穴埋めし、維持したい考えだ。ただ、高騰が長期化した場合の対応は不透明だ。「費用を抑えるために年間契約している食材もあり、現場の工夫にも限界がある。高騰が収まるか国全体で対応を検討してほしい」と願う。

 会津若松市でも、値上がりする油の使用量を減らすために給食の揚げ物を煮物に変えるなど、一部の献立を見直すことで食材高騰に対応している。価格が比較的安い地元産に食材を変更することも工夫の一つという。食材高騰が深刻化すれば値上げも視野に入るが、市教委は「高騰は3月に始まったばかりで、値上げを検討するにはデータが少ない。データがそろってから対応を検討したい」としている。

 県内、食用油6割値上がり

 県内の学校に給食用の食材を供給する県学校給食会によると、食材の多くで値上がりが続いている。

 特に深刻なのは揚げ物などに使う食用油だ。仕入れ価格は昨年6月と比べて6~7割も上昇しているという。同会の斎藤保事務局次長によると「大豆や菜種などの原材料不足をはじめ、人件費や物流コストが価格を押し上げている」という。

 パンや麺に使う小麦の仕入れ価格も昨年6月からの1年間で2割上昇した。斎藤事務局次長は「ウクライナ情勢の推移によってはさらなる上昇もあり得る」と警戒感を強める。年度内の卸価格は据え置く考えだが、先の見通せない状況が続いているという。