技術不足が撤退理由 福島県沖の洋上風力事業、産業化「貢献」

 

 資源エネルギー庁などは14日、本県沖で実施した浮体式洋上風力発電施設実証事業の漁業関係者向け報告会をいわき、相馬の両市で開いた。採算が見込めないとして2021年度に施設を全基撤去した理由について担当者は技術不足を挙げた一方、「国内での産業化に貢献する知見が得られた」と強調し、実績が本県沖への風力事業者進出を促すとの見方を示した。

 実証では、国が2013(平成25)年から楢葉町の沖合20キロに風車3基を設置。最小の2メガワットの設備は目標利用率に達したが、5メガワット、7メガワットの2基は商用水準に達せず、経済的に自立した運用が困難として全て撤去。10年超で約670億円が投入されたが、事業化には至らなかった。担当者は、センサーの誤検知や海上で想定以上の衝撃を受けたことによる亀裂発生など不具合の頻発を挙げ、「技術的に開発段階だった風車を用いての長期安定運転が困難だった」と説明した。

 一方、成果として商用化に向けた低コスト化や安全性の課題の特定につながったと説明。発電施設が底引き網漁などに与える影響もなかったとした。

 政府は洋上風力を40年までに最大4500万キロワットに増やし、部品などの国内調達率を60%まで引き上げる方針。民間事業者の参入が鍵となるが、能村幸輝経産省新エネルギー課長は「実証で福島県沖での気象などのデータが明らかになった。福島は他地域に比べ参入につながる可能性はあると思う」とした。