救急現場から「心電図データ送信」 福島医大病院が県内初導入

 

 福島医大病院は15日、救急隊が現場からインターネットを使って患者の心電図データを病院に送る「12誘導心電図伝送システム」を導入したと発表した。患者搬送前から医師が即時に診断できるため、来院から緊急治療完了までの時間が以前より20~30分短縮される。死亡率の高い急性心筋梗塞をはじめとした心疾患の救命率向上が期待される。

 医大病院の高度救命救急センターに13日、県内で初めて導入された。同センターが運用するドクターヘリで活用される。

 従来は救急隊が電話で症状を伝え、病院到着後に診断していたが、インターネットのクラウド上に心電図データを送信して早期診断が可能になるほか、スタッフの招集も円滑になる。患者の写真や動画も送信できるため、交通事故などの現場でも活用が見込まれる。これまで救急現場で実施していた心電図測定より、詳細なデータが取得できるという。

 県の補助を受け導入した。県は本年度当初予算に同システムの整備に関する補助金を計上しており、本年度は福島市消防本部の救急車3台にも導入される予定で順次、県内全域に拡大する。同センター救急科副部長の小野寺誠地域救急医療支援講座教授は「救命率向上に加え、急性心筋梗塞になった後の後遺症を少なくすることも期待できる」としている。

 厚生労働省がまとめた2021年人口動態統計(概数)によると、本県の死因別死亡率(人口10万人当たりの死亡数)のうち、急性心筋梗塞などの心疾患は全国ワースト9位で、改善が急務となっている。