国見・旧小坂村産業組合石蔵、地震被災で解体へ 国登録文化財

 
昨年2月の本県沖地震と今年3月の地震で被災し、解体が決まった国見町の「旧小坂村産業組合石蔵」

 本県沖を震源に最大震度6強を観測した3月の地震で被災した、国見町の国登録有形文化財「旧小坂村産業組合石蔵」が、復旧を断念し解体される見通しとなったことが16日、町や所有するJAふくしま未来などへの取材で分かった。解体時期は未定。

 石蔵は、昨年2月の本県沖地震で屋根瓦や石壁の一部が損傷し、今年2月に復旧した。しかし、3月の地震で別の石壁が大きく崩れた。JAは度重なる被災で維持管理が難しくなっているほか、石蔵が同JA小坂支店の敷地内にあり、国見小のスクールバス発着場所にもなっているため、安全確保を優先し、解体する方針を固めた。

 石蔵は、1941(昭和16)年に建築された町内に現存する最大級の石蔵で、米などの貯蔵に使われてきた。木骨石造など希少な建築技法や国見石が使われるなど当時の建築技術の高さを示しているとして、2016年8月、国登録有形文化財に登録された。

 JAふくしま未来の担当者は「2度の地震で維持管理が難しくなった。苦渋の決断だった」と述べた。町は「協議を重ね、残す方向で手は尽くしたがやむを得ない。資料や映像は保存していく」とした。今後は文化庁に現状変更届を提出するなど、解体に向けた手続きを進める。