阿津賀志山防塁、追加指定へ答申 国見の国指定史跡

 
遠矢崎地区(右手前)から見た阿津賀志山防塁。左奥の小高い山が阿津賀志山(国見町提供)

 国の文化審議会は17日、1981(昭和56)年に国指定史跡となった福島県国見町の阿津賀志(あつかし)山防塁について、新たに遠矢崎(とおやざき)地区の一部(約2372平方メートル)を追加指定するよう末松信介文部科学相に答申した。

 発掘調査で土塁が明確に確認できたことなどから、追加される見通し。同史跡については、調査で確認された地区を順次追加指定しており、今回で4回目。これまで約4万610平方メートルが史跡として指定されている。

 防塁は、1189(文治5)年の源頼朝率いる鎌倉方による奥州遠征に備え、奥州藤原氏が構築した防御施設で、阿津賀志山の中腹から阿武隈川にかけて約3.2キロにわたって築かれている。

 距離の長さに加え、二重の堀と三重の土塁という造りは珍しく、当時の土木技術や防御への考えを知るうえで重要な遺跡となっている。国見町によると、日本三大防塁の一つとされているという。

 引地真国見町長は「町には人々が懸命に暮らし、生きてきた証しの歴史と文化、風習がたくさん残っている。大事に残してきた人々の心が通じ、うれしく思う。これまでの800年を受け継ぎながら、大事な宝を引き継いでいく」、菊地弘美教育長は「遠矢崎地区は、防塁の特徴である二重の堀から地形を生かして一重の堀に形状を変化させた場所で、当時の土木技術を考えるうえで貴重なもの。これからも国見の宝を100年先に残すための取り組みを続けていく」とコメントした。

 文化審議会の他の答申内容は次の通り。かっこ内は所在地。

 【史跡の新指定】鎌倉街道上道(かみつみち)(埼玉県毛呂山町)▽夕田墳墓群(岐阜県富加町)▽芥川城跡(大阪府高槻市)▽郡山城跡(奈良県大和郡山市)▽新宮下本町遺跡(和歌山県新宮市)▽熊本藩高瀬米蔵跡(熊本県玉名市)▽轟貝塚(熊本県宇土市)▽里官衙(かんが)遺跡(大分市)▽立切遺跡・横峯遺跡(鹿児島県中種子町・南種子町)

 【登録記念物の新登録】岡山氏庭園=養浩園(茨城県常陸大宮市)▽法師庭園(石川県小松市)▽徳島堰(せぎ)(山梨県韮崎市・南アルプス市)

阿津賀志山防塁の地図