飯舘・復興拠点外に「堆肥製造施設」 長泥地区、企業を誘致へ

 

 飯舘村は19日、東京電力福島第1原発事故で帰還困難区域となっている長泥地区について、来春の避難指示解除を目指す特定復興再生拠点区域(復興拠点)から外れた地域に、企業の堆肥製造施設を誘致し、来春以降、土地活用による一部の避難指示解除を進める考えを示した。

 村内で同日開かれた住民説明会で明らかにした。復興拠点外に誘致する堆肥製造施設では、施設に搬入した汚泥を熱風乾燥させ、堆肥を製造する。村は、廃棄物の資源への活用という持続可能な開発目標(SDGs)の観点で産業創出や地区活性化につなげたい考え。具体的な場所や整備時期は国や企業と調整する。このほか復興拠点外を巡っては、住民が集う公園の整備を進めており、放射線量の低減策を講じた上で、堆肥製造施設と同様、土地活用を条件とした避難指示解除を目指す考えだ。

 説明会後、報道陣の取材に応じた杉岡誠村長は、村の方針については、おおむね了解を得られたとした上で「復興拠点外の一部について、条件が整えば復興拠点と同時解除もあり得る。住民や国などと、協議を進めていく」、政府の原子力災害現地対策本部の辻本圭助副本部長は「長泥地区の復興を果たすのが国の責務。政府一丸で村の方針を全力で支えていく」と述べた。

 復興拠点外を巡っては、政府が住民の帰還や居住を想定しない形での土地活用に限り、事業者などによる土地の造成や被ばく線量の低減などが実施されていることを条件に、地元の意向に応じて避難指示を解除する方針を示している。

 今秋の準備宿泊を説明

 説明会で飯舘村は、長泥地区で来春に予定される特定復興再生拠点区域(復興拠点)の避難指示解除に向け、今秋ごろから準備宿泊を開始する方針を住民に説明した。

 説明会には地区住民ら約60人が出席。準備宿泊実施に当たっては「復興拠点内の空間放射線量は十分に低減している」とする村除染検証委員会の検証結果が報告され、今秋ごろに準備宿泊を実施するスケジュールが示された。村が住民を対象にした説明会で方針を示すのは初めてで、具体的な開始日については今後、住民などと協議して決める。

 説明会後、出席した住民は「将来にわたって住民が安心感を持って暮らせるよう、村や国には復興拠点の整備を進めてもらいたい」「解除後の生活再建など暮らしを支える制度を整えてほしい」などと話した。