福島市 コロナ対策成果、10万人当たり感染者...県平均2割下回る

 

 福島市は新型コロナウイルスの第6波の分析結果を発表した。市の累計感染者数は5月末現在で7726人で、このうち今年1~5月の感染者数は計6399人と約8割を占め、第6波で急激に拡大した。一方、累計感染者数の人口10万人当たりの換算は2733人で、県全体(6万3627人)の3470・9人よりも2割ほど低かった。

 市の今年1~5月の年代別感染者数と推定感染経路の内訳は【表】の通り。人口10万人当たりの感染者数が県全体を下回った要因について、市保健所は〈1〉検査体制の充実〈2〉積極的疫学調査(感染症の全体像の調査)の継続と、子どもたちへの感染症対策の重点化〈3〉情報分析と効果的な対応や広報―の3点を挙げた。

 検査体制の充実では、市医師会や市内の診療・検査医療機関約110カ所と連携し、市民が症状出現時に速やかに検査できる体制を整えた。また、1月末には「発熱よりも、喉の痛み、せきが先に出現する」というオミクロン株の特徴を医療機関に伝え、早期検査を促した。

 積極的な疫学調査は、保健所業務が逼迫(ひっぱく)したため、市役所の別部署から応援職員を動員して続けた。このため感染経路不明者が少なく、クラスターとその芽を早期に把握できた。オミクロン株の特徴である子どもに感染しやすいことにいち早く着目し、学校や児童施設での感染対策を徹底した。

 その上で、積極的疫学調査で得た情報を分析し、感染予防対策を周知した。学校などで感染者が確認された時の対応や学級閉鎖など各部署と連携して市の各施策に反映した。

 また、複数の感染者が発生した職場などへの注意喚起、濃厚接触者の家族に3日間の出勤自粛依頼なども行った。

 市保健所の中川昭生所長は、市民の理解と協力をはじめ医療機関や保健所、市役所が一丸となった結果と総括した上で「市民には今後も油断せず基本的対策を徹底し、軽微な症状でもすぐ診療・検査医療機関を受診してほしい。感染しない、うつさない対策への協力をお願いしたい」とした。

 感染拡大防止に向けては「軽微な症状であってもまずは学校や職場などを休むことが大事。これには社会全体が『休める環境づくり』に意識を変えなくてはいけない」と訴えた。