都市部商業地回復の兆し 福島県路線価、福島駅前通り上昇率2.6%

 

 国税庁が1日発表した県内の10税務署ごとの最高路線価は、福島と須賀川の2地点のみが上昇した。新型コロナウイルスの影響で商業地は伸び悩みの傾向が続くが、再開発事業などが進む都市部では回復の兆しも見え始めた。一方、人口減が進む地域では、地価下落に歯止めがかかっていない。

 税務署別の最高路線価が上昇した2地点のうち、福島の最高路線価は福島市栄町の福島駅前通りで、上昇率は2.6%だった。前年のマイナス2.6%から増加に転じ、東北でも7位の上昇率となった。福島医大保健科学部の開校や、同駅前で進む再開発事業などが好材料となり、地価を押し上げた。また、須賀川は郡山市に隣接し、位置的な条件に優れる一方、地価に割安感があることなどから需要が流入し、堅調な状態を維持している。

 2年連続で横ばいとなった郡山は、新型コロナの影響でJR郡山駅前の繁華街の収益力低下が続く。ただ、同駅周辺では再開発事業などの動きもあり、県内最高路線価は、郡山市駅前1丁目の郡山駅前通りが維持した。

 いわきは横ばいだが、工業地は需要が底堅く、今後も堅調に推移していくとみられる。

 10税務署管内のうち、最高路線価が唯一下落した会津若松は新型コロナの影響が大きく、会津若松市では旧市街地の既存商店街の収益力低下に加えて、観光客の減少なども影を落とした。

 主要都市以外では、都市部への顧客流出に加え、人口減や過疎化で地域の購買力が減少しており地価は下落が続く。特に会津や阿武隈山系の市町村ではその傾向が強く、平均変動率は喜多方市で2.5%、猪苗代町で3.0%、浅川町で4.9%のいずれもマイナスだった。

 都道府県庁所在地で比較する最高路線価は39位(昨年40位)、前年比の変動率は10位(同34位)といずれも順位を上げた。用途別主要標準地の評価基準額は商業地の福島市栄町が2.6%上昇の19万5000円となったが、そのほかは横ばいだった。

 帰還困難区域「ゼロ」を継続

 国税庁は、東京電力福島第1原発事故に伴い設定された帰還困難区域などについては前年までと同様、相続税と贈与税の申告に際し、その価格を引き続き「ゼロ」とした。

 対象は南相馬、飯舘、葛尾、浪江、双葉、大熊、富岡の7市町村の一部。