「保護観察所の対応に恨み」 福島駅切り付け、検察が動機指摘

 

 JR福島駅西口広場で昨年11月、通行人の男女2人を切り付けて殺そうとしたとして、殺人未遂と銃刀法違反の罪に問われた本籍山形県米沢市、住所不定、無職高橋清被告(70)の裁判員裁判初公判は11日、福島地裁(三浦隆昭裁判長)で開かれた。検察側は、高橋被告の動機について「保護観察所から希望する支援を受けられず逆恨みした」と明らかにした。

 罪状認否では、高橋被告が「けがをさせたことは間違いないが、殺意はなかった」と起訴内容を一部否認した。

 検察側の冒頭陳述などによると、高橋被告は別の罪で実刑判決を受けて服役し、2017(平成29)年に刑務所を出所後、福島保護観察所に身寄りがなく保護が必要な人に寝食を提供する「更生緊急保護」を申請した。しかし、保護観察所は「更生の意欲がない」としてこれを受け入れなかった。検察側は、高橋被告が保護観察所が申請を受け入れなかったことで逆恨みしたと指摘。その上で「無差別に人を刺す重大事件を起こして報道されれば、保護観察所の職員の対応が明るみに出て、間接的に復讐(ふくしゅう)できると考えた」とした。

 また、争点の殺意については「凶器の数や被害者の負傷状況などから殺意はあった」と主張。別の事件で刑務所に服役して出所した日に包丁を購入し、3日後には事件を起こすなど計画性もあったとした。

 弁護側は「(高橋被告は)出所後、人生をやり直そうと思い支援を求めた。頼りにしていた保護観察所に支援を断られ、死ねと言われたと同然」と当時の対応を批判。その上で「(今回の事件は)騒ぎを起こすことが目的で、人を殺す意思はなかった」とした。

 次回公判は13日午後1時30分から被告人質問を行う。