処理水放出設備計画の安全を確認 福島県検討会が報告書

 

 東京電力福島第1原発で発生する処理水の海洋放出方針を巡り、県と原発立地町でつくる県原発安全確保技術検討会は26日、東電の処理水放出設備の設置に向けた計画について、安全が確認されたとする報告書をとりまとめた。内堀雅雄知事と第1原発が立地する大熊町の吉田淳町長、双葉町の伊沢史朗町長は報告書を参考に、計画を了承するかどうか判断する。

 県などが有識者らと共に策定した報告書は、多核種除去設備(ALPS)で処理しきれないまま保管されている「処理途上水」が基準値未満になるよう確実に浄化され、トラブルで処理水が計画通りに放出されなかった場合でも緊急遮断弁によって環境への影響を抑えられるなど、放出設備の安全性に関する12項目のいずれも「適切に計画されている」と評価した。

 その上で東電に対し、放出設備の運用が長期間に及ぶことから、処理水に含まれる放射性物質の確認や放射線影響評価の分かりやすい情報発信など、8項目の要求事項を掲げた。

 検討会に先だって開かれた県廃炉安全監視協議会では、放出設備の位置図を報告書に追加するよう専門家から指摘があった。検討会はこれらの指摘などを踏まえた報告書を決定し、内堀知事と吉田、伊沢両町長に提出した。報告書の決定を受け、吉田、伊沢両町長は「慎重に判断したい」と述べた。

 計画を巡っては、原子力規制委員会が22日に認可しており、地元自治体が了承するかどうかが焦点となっている。ただ認可や自治体の了承は放出設備を設置するための手続きであり、海洋放出について東電は「漁業者をはじめとした関係者の理解を得る取り組みを続ける」としている。

 東電は海洋放出で、処理水に含まれる放射性物質トリチウムの濃度が国の基準の40分の1未満となるよう薄め、海底トンネルを通して沖合約1キロから放出することを計画している。来春をめどに始め、放出終了までに数十年かかる見通し。