森林資源解析にドローンとAI 相双林業復興へシステム開発着手

 

 県林業研究センターと日大工学部、大和田測量(広野町)は、東京電力福島第1原発事故に伴う帰還困難区域を抱える相双地域の林業復興に向け、森林資源に関する情報を効率的に把握するシステムの開発に着手した。ドローンと人工知能(AI)を用い、森林の細かな線量分布や利用可能な樹木を自動で判別できるようにし、木材生産量の回復や森林再生につなげる。

 3Dスキャナーなどを搭載したドローンで森林を上空から計測してデータを集め、AIの先端技術「深層学習(ディープラーニング)」で解析する。伐採などの作業に影響を与える地上1メートルの高さの空間線量やスギ、ヒノキ、アカマツなどの樹種のほか、樹木一本一本の位置や直径、地形データなどの情報を把握。データの取得と深層学習を重ねて精度を高めることで、人が森林に入らなくても、どんな種類の樹木がどの位置にあるかを正確に把握する。

 森林利用計画の策定や木材の搬出方法の検討なども進める考えで、林野庁と県が昨年度から取り組む「里山・広葉樹林再生プロジェクト」との将来的な連動も見据え、原発事故前に全国トップクラスだった本県のシイタケ原木の産地復活にも技術の活用を検討する。

 避難区域を抱え、空間線量の高い森林の割合が多い相双地域では、原発事故後に林業活動が停滞している。相双以外の地域では原発事故前の水準まで回復している一方、相双は半分程度にとどまる。長い間、適正な森林管理が行われていないため、病害虫による被害拡大や山火事の発生も懸念される。

 林業復興には、線量を含め森林資源の把握が不可欠だが、住民避難に伴う人手不足もあり、従来のように人の手で調べるには限度がある。このため新たなシステムを林業復興に生かしていく考えだ。