ロボットや放射線ほか5分野 国際研究機構の基本計画概要

 

 政府が来年4月に浜通りに設立する福島国際研究教育機構の運営指針となる基本計画の概要が1日、分かった。機構が行う研究開発を「日本再生のリーディングプロジェクト」と位置付け、国の総力を挙げて推進する方針を明記する。実現に向け、東京電力福島第1原発の廃炉関連では、遠隔操作で炉内の構造物などに触れた感覚が作業者に伝わる「触覚」の機能を搭載したロボットの開発など具体的な研究内容を盛り込む。

 基本計画では、日本の科学技術力を短期間で世界トップレベルの水準に引き上げる目標も掲げるとみられる。主な研究テーマは5分野で、内容は【表】の通り。

 ロボット分野では、温室効果ガス排出量実質ゼロ(カーボンニュートラル)の達成に向け、水素を活用して長時間飛行できるドローンの実証機の開発も進める。

 エネルギー分野では、水素を高い効率で貯蔵して利用するシステムの開発や、二酸化炭素(CO2)を大量に吸収する植物や藻類などの生産を目指す。

 農林水産業では「超省力」と「低コスト」をキーワードに掲げ、複数の農場を移動して作業する自動走行型トラクターの開発に向けた実証研究に取り組む。

 放射線科学・創薬医療分野では、放射線を活用したがん治療を含む世界最先端の研究を行う。原子力災害に関するデータや知見の集積・発信に向けては、国際放射線単位測定委員会(ICRU)など国際会議の誘致や、国内の研究者らが参加するシンポジウムの開催を通して復興に関する情報を発信する。

 機構が重視する人材育成面では、小中学生や高校生向けの教育プログラムの開発をはじめ、女性研究者らが活躍しやすい環境の整備、成果や能力に応じた給与水準を設けるとした。

 政府は今月下旬の基本計画決定を目指している。