校旗や図書カード...よみがえる日常 福島・富岡、9月まで企画展

 
富岡の各学校の歩みを展示した資料について解説する門馬さん

 とみおかアーカイブ・ミュージアムの企画展「富岡町の小中学校」は9月25日まで、富岡町の同施設で開かれている。同町では東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の発生前に富岡一小、二小、富岡一中、二中の4校の小中学校があったが、現在は富岡小中学校に統合された。企画展では校舎が解体される前に救出した資料をそろえ、富岡の子どもたちが学んでいた各校の日常の様子を紹介している。入場無料。

 富岡町は、2011年3月の東京電力福島第1原発事故で住民避難を余儀なくされた。小中学校の機能は同9月、「富岡町立小中学校三春校」として三春町で再開し、子どもたちは郡山市などの避難先からスクールバスで通った。18年には町中心部の避難指示が解除されたことを受け、富岡一中の校舎で4校の合同利用による町内学校教育が再開。その後、三春校を含めた4小中が統合し現在の形となった経緯がある。今回は、これまでの各学校の歩みを伝えることに重点を置いた。

 企画展では、各校の校旗や校章、校歌を記した額などを展示している。このほか、鍵盤ハーモニカや図書館の貸し出しカード、運動部のユニフォームなど、富岡での学校生活を思い起こさせる資料をそろえた。会場を訪れた4校の卒業生が自由に思い出を付箋で貼ることができるコーナーも設けた。2階には、震災後の学校に残されていた黒板も展示している。

 同館の門馬健主任学芸員は「訪れた卒業生が自然と校歌を口ずさむなど、町民の交流の場になっている。町外の方には、当たり前のように思えた学校生活が、原発事故によりいきなり失われたことの意味を考えてほしい」と語っている。開館時間は午前9時~午後5時(入館は同4時30分)。常設展と併せて見学できる。

 問い合わせはとみおかアーカイブ・ミュージアム(電話0240・25・8644)へ。