野口英世アフリカ賞にカリム博士夫妻、ギニア虫症撲滅プログラム

 
医学研究分野で受賞したサリム・S・アブドゥル・カリム博士(右)とカライシャ・アブドゥル・カリム博士(Matthew Henning氏提供)(写真上)ギニア虫症の検出方法について指導するカーターセンターの関係者(カーターセンター/J.Hahn氏提供)

 政府は3日、猪苗代町出身の世界的細菌学者野口英世の志を受け継ぎ、アフリカの疾病対策で功績を挙げた研究者をたたえる「野口英世アフリカ賞」の第4回受賞者を発表した。医学研究分野はエイズ予防・治療に貢献した南アフリカのサリム・S・アブドゥル・カリム博士(62)とカライシャ・アブドゥル・カリム博士(62)夫妻、医療活動分野は国際的な取り組み「ギニア虫症撲滅プログラム」に決まった。

 授賞式は27、28の両日にチュニジアで開かれる第8回アフリカ開発会議(TICAD)の席上行われる。各分野の受賞者には賞金1億円が贈られる。

 カリム博士夫妻はアフリカでのエイズウイルス(HIV)感染サイクルを明らかにし、特に若年アフリカ女性へのHIV感染リスクの低下につなげた。HIVと結核の重複感染者の治療法を臨床治験から発見し、死亡率を減少させた。

 新型コロナウイルス対策を巡っては、感染拡大の周期性を解読し、流行の「波」の予測を南アフリカ政府に提供、同国の感染症対策の中心的役割を担ってきた。

 ギニア虫症撲滅プログラムは、感染症対策や貧困問題などに取り組む米国の民間団体「カーターセンター」が主導。アフリカの保健省などを巻き込んだ国際的キャンペーンとして1986(昭和61)年に始動した。

 この寄生虫感染症は汚染された水を飲むことで拡大するため、フィルターを各地に提供して飲み水をろ過することをボランティアらと共に普及させた。その結果、アフリカ全域での感染を86年の推定350万件から2021年には15件へと減少させた。

 内堀知事、貢献に賛辞

 内堀雅雄知事は3日、野口英世アフリカ賞の第4回受賞者の決定を受けてコメントを発表し「本県出身の偉人・野口英世博士と同じ志を抱き、アフリカでの医療活動や医学研究を通して人類全体の保健・福祉の向上に大きく貢献した」と賛辞を贈った。

 その上で「本県を訪問する機会があれば、県民一同、心から歓迎するとともに、野口博士を育んだ福島の魅力を感じていただきたい」と期待した。