室内に土砂、迫る大木 北塩原で一時孤立、深夜ロープ伝い避難

 
近くの川から流れ込んだ大量の石や土砂でふさがれた道路。住民やホテル宿泊者らが一時孤立状態となった=4日午後2時50分ごろ、北塩原村桧原

 大雨による影響で、北塩原村では住民や観光客が一時的に孤立状態に陥った。

 裏磐梯グランデコ東急ホテルにはスタッフ50人、宿泊客100人が滞在していた。3日午後5時ごろ、川の氾濫と土砂崩れにより1本しかない道が通れなくなった。ホテルに滞在中だった広報担当の佐藤弘紀さん(32)は「ホテルには食料もあり、電気や水道などのライフラインも大丈夫だったので不安はなかった」と振り返る。

 4日午後2時30分ごろに道路が開通し、孤立状態は解消された。同日午前にチェックアウトする予定だった宿泊者には、昼食が無料でサービスされた。朝にチェックアウトして会津若松市内を観光する予定だった樽井敏彦さん(75)=神戸市=は「特別不便もなかったけど、若松を観光する時間がなくなってしまい残念」と肩を落とした。

 同村の小野川地区は、村道が中ノ沢川から流れ出た土砂や流木で埋まり、一時孤立状態になった。同地区の佐藤明雄行政区長(77)は「災害には強い土地だったのでショックを受けている。住民を避難させないとという不安があったが、人的被害がなくて何よりだ」と胸をなで下ろした。

 喜多方市などでは住宅への被害が相次いだ。3日深夜、同市山都町相川地区の自営業江見知則さん(43)方の1階に土砂が流れ込んだ。江見さんは「大きな音がしてカーテンを開けると目の前に大木があった」と話す。雨の勢いが強かったため、ガードレールに縛ったロープを伝って避難したという。

 西会津町奥川地区の県道では数カ所で道路の冠水と土砂崩れが確認されたため、安全が確保できないとして緊急車両以外の通行を規制。同地区の極入集落に住む佐藤治市さん(85)方は玄関が水浸しになり、家の裏にある畑は砂利の山になったという。佐藤さんは「自分たちだけではどうにもならなかったので、よその集落の消防団が片付けに来てくれて助かった。畑はまた一から耕さなければ」とため息をついた。

 特養で床上浸水

 喜多方市塩川町の特別養護老人ホームけいわ苑では、4日午前1時30分ごろに約10センチの床上浸水があった。1階に入居していた約40人が2階に避難するなどして被害は免れた。施設周辺も腰まで水につかるほどの冠水があったため、職員は小型ボートなどを使って移動した。

 施設はこれまで浸水被害はなかったが、日頃から避難訓練に取り組み、土のうを準備するなどしていたという。小沢景子施設長(45)は「水が入らないように頑張ったが、水の勢いが予想以上に強かった。全員が無事に避難できてよかった」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

増水した川の勢いで削られた道路=西会津町奥川

増水した川の勢いで削られた道路=4日午後0時20分ごろ、西会津町奥川