崩れた橋...まさか 大雨で濁川増水、喜多方「生活の足」を失う

 
濁川の増水で崩落したJR磐越西線の濁川橋梁。地域住民が不安そうに見つめていた=4日午前11時35分、喜多方市豊川町米室

 「まさか。ここでこんなことが起きるのか」。3日から激しい雨が降り続き、一夜明けた4日早朝、JR磐越西線の濁川橋梁(きょうりょう)(喜多方市)が崩落した光景を目にした市民は言葉を失った。「生活の足」として欠かせない存在だった線路を突然失う形となり、地域に衝撃が広がっている。

 「あの時から『異変』があったのかもしれない」。橋梁から東に500メートルほど離れた所に住む会社役員慶徳孝幸さん(63)は4日午前2時ごろ、近くの磐越西線の踏切で、遮断機が下りたままの状態で踏切音が鳴り続けるのを聞いていた。
 会津北部土地改良区水利委員長を務める慶徳さんは同日午前5時ごろから管轄の行政区を車で巡回。同6時30分ごろ、橋梁を支える橋脚が根元から倒れ、橋は中央部分から半分に折れ曲がり、折れた片方が今にも着水しそうになっていた。

 濁川橋梁は1904(明治37)年に磐越西線の一部として建設。2016年度には土木学会選奨土木遺産に「磐越西線鉄道施設群」の一部として認定を受けた。慶徳さんは「孫とSLに乗ったり、小さい頃は親と新潟まで海水浴に行ったりと思い出が詰まった路線。あまりの悲惨さに言葉が出てこない」と嘆いた。

 濁川橋梁の付近に住む会社員寺島望さん(32)は「雨や雷の音がすごくて橋が壊れる音は聞こえなかった。まさか鉄橋が壊れるとは」と驚く。濁川橋梁から東に約100メートルのデイサービスベルハウスの管理者飯塚学さん(56)は「これからも強い雨が降り続けるなら、利用者の早期帰宅を考えなければならない」と不安を口にした。

 通学で磐越西線を利用し喜多方市内の高校に通う西会津町の長谷川夢樹(ゆずき)さん(15)は「親が共働きで送り迎えは厳しい」と頭を悩ませる。この日は大雨で野球部の練習が休みだったが、今後は練習にしばらく参加できないという。