会津の国内最大級陸上風力発電断念 日立造船、地元反対受けて

 

 日立造船(大阪市)は4日、昭和村や南会津町などで検討を進めていた国内最大級の陸上風力発電事業を廃止すると発表した。会津美里、下郷両町を含めた4町村にまたがる国有林に立地する計画に対し、地元からの反対表明などを重く受け止め、事業を断念するに至った。本紙などに公告を出したほか、各町村などに文書で通知した。

 計画検討エリアには、林野庁設定の「緑の回廊」や国指定天然記念物の駒止湿原、博士山鳥獣保護区、駒止湿原鳥獣保護区などが含まれていた。同社の担当者は事業廃止の理由について、舟木幸一昭和村長や渡部正義南会津町長、住民らから事業計画の白紙撤回を求められていたことや事業採算性、現地の環境問題、計画段階環境配慮書の縦覧の意見などを含め「自然豊かで環境上配慮すべき地域だと分かった。事業は難しい」と総合的に判断したことを明らかにした。

 同事業を巡っては、日本自然保護協会(東京都)が自然環境や防災の観点から同社に事業中止を求める意見書を提出していた。

 計画検討エリアの大半を占めていた昭和村の舟木村長は福島民友新聞社の取材に「自然保護団体などの村を応援してくれる人たちを含めた民間の力と行政が一緒になって(風力発電を阻止するという)同じ方向に動いた成果。美しい村をそのまま次代に引き継ぐことが私の使命と思っている」と述べた。

 配慮書によると、「会津大沼風力発電事業(仮称)」として4町村の約27.3平方キロでの事業実施を見込んでいた。発電設備出力は最大18万3000キロワット。